■やっぱりバナナプラグが使いたい!
バックロードホーンなどのエンクロージャーキットを作っていると、付属のスピーカー端子のことが気になる。高級なキットにはバナナプラグ対応プラグが入っているが、ハイコスパキットは、スプリング内蔵で穴にスピーカーケーブルを差し込むプッシュ式スピーカー端子になる。これだと拙宅のリファレンスケーブルが使えない。理由は穴が細すぎるから。それからスピーカー端子の端末はYラグかバナナプラグに加工済みのケーブルしかないのだ。そこで普段は使わない細いケーブルで接続するのだが、1本か2本、穴に入らない線があったり、それが折れて切れたり、アンプ側はバナナがないと接続できないとか、いろいろ面倒な事案が発生する。
特に今回はフロントロードホーンキットを真空管ハイブリッドアンプで鳴らそうとしたら、このアンプのスピーカー端子の間があり得ないほど狭くてバナナプラグでないと接続できない。フロントロード側はバナナ非対応なので、急遽、片方だけバナナのスピーカーケーブルを作ることにした。
■バナナプラグは音を悪くすると言う定説もあるが
オーディオの考え方に接点はすくない方がいいという説がある。私も高校時代はエンクロージャーを自作して、ユニットにケーブルをハンダ付けして、箱から直出して喜んでいたものだ。考え方はピュアだが使い勝手は最低である。今は面倒なのでバナナプラグ対応スピーカーとかアンプは、バナナプラグを使って接続している。バナナプラグを使うとなると、線材との接点は、ハンダ付け、圧着、スポット溶接などによって音が違うと言われている。ハンダ付けはダメだとか、溶接は最悪とか、まあいろんな意見があるが、カンタンなのはネジ式の圧着である。次に問題になるは、安物のバナナプラグの接触不良である。よくあるのがバナナプラグの周囲に提灯型のスプリング金具がはまっており、これがスピーカー端子と接触するタイプだ。スプリング金具が弱まったり、壊れたりしてスカスカになる。このタイプは避けたい。今回、採用したBFAタイプはオーディオクエストなどにも使われる方式で弾力性のある金属板を円筒形に丸めて端子にしている。円筒形部分全部がバネの役割を果たすので接地面積が広く、バネがダメになる可能性も低い。Amazon.co.jpで見つけたViborg Audio『BFA Type Banana Plug』は8個セットで1050円(税込)と激安である。さらに熱伸縮チューブも付属する。ケーブルはAmazonオリジナルの『16ゲージ スピーカー ケーブル 約30メートル』1072円(税込)を使った。スピーカーケーブルも凝り出すとキリが無いので、惜しみもなく好きな長さに切れて、太すぎずに取り回しの良さを優先して選んでいる。今回はデスクトップ用に1mペアを作った。