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【開発秘話】累計23万台以上売れているアラジンの「グラファイト トースター」シリーズ

2018.01.07

■連載/ヒット商品開発秘話

 家電の中には炊飯器のように、一般的な価格帯から突出して高いものが人気を博すことがある。最近ではトースターもその仲間入りを果たし、2万円近くするものが売れるようになった。この成功例の一つが、『アラジン グラファイト グリル&トースター』(以下、グラファイト グリル&トースター)と『同 グラファイト トースター』(以下、グラファイト トースター)である。

『グラファイト グリル&トースター』は2015年9月、『グラファイト トースター』は2016年3月の発売。千石が開発し、日本エー・アイ・シーが販売している。特徴はともに、0.2秒で発熱する千石の特許技術「遠赤グラファイト」を採用していること。短時間かつ高温で焼き上げるため、外はカリッ、中はモチモチとした食感のトーストができ上がる。これまでに2機種合わせて、約23万台売れているという。

 また、『グラファイト グリル&トースター』にはグリルパンやグリルネットが付属。トースターとしてだけではなく、焼く、煮る、蒸す、温めると様々な調理に使用可能だ。


アラジン グラファイト グリル&トースター


アラジン グラファイト トースター

■ヒーターにパンを近づけたら、とりあえず焼けた

 ご存知の方も多いだろうが、アラジンは英国の暖房機ブランドで、石油ストーブの『アラジン ブルーフレーム』で有名。アラジンブランドの製品を日本で販売しているのが日本エー・アイ・シーで、アラジンブランドの製品の生産と『アラジン ブルーフレーム』以外の製品の開発を担当しているのが千石である。

 千石がアラジンブランドのトースターを開発した理由は、2つあった。

 第一の理由は、OEM生産していたトースターの生産減少。千石はアラジンブランド以外にも日本の大手家電メーカーの製品をOEM生産しているが、顧客企業のトースターの生産が中国を始めとした海外にシフト。減少した分を補わなくてはならなかった。第二の理由は、主力である暖房機の生産が春になると急激に落ちること。暖房機は季節性が高く、1年を通して安定して生産できるものではなかった。

 こうした事情から、千石では2013年春頃から、アラジンブランドでトースターの新商品をつくることを模索する。つくるに当たっては他社との差別化を図らなければならないが、差別化要素は身近なところにあった。それは、千石が開発・生産しているアラジンのグラファイトヒーター。千石の取締役副社長、千石剛平氏は、次のように話す。

「足元に遠赤グラファイトを搭載したグラファイトヒーターを置いて使っていたのですが、肌がチリチリと感じるほど熱くなります。何か焼けるのでは、と思えたので、試しにパンを近づけて焼いてみたところ、見事に焼けました」


千石
取締役副社長
千石剛平氏

 ただ、焼けたといっても、熱源が暖房機のものだったので、キレイかつ均等に焼けるはずもない。遠赤グラファイトに面しているところだけしか焼けなかった。

 とはいえ、可能性を見出すには十分な結果だったことから、『グラファイト グリル&トースター』の開発が本格化する。

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