
忘年会や新年会など、会食の増える年末年始。人前でゲップを出すのは避けたいものである。そこでゲップはどんなしくみで出るのかを確認し、さらに他人を不快にさせないためのマナーの一つとしても、ゲップを出にくくするための方法をチェックしておこう。
■ゲップがよく出るのはなぜ?
食べた直後や食べてからしばらく経って、人と話しているとゲップが出そうになって焦った経験はないだろうか。そもそもゲップはなぜ出るのか。そしてなぜ頻繁に出るときと出ないときとがあるのか。
ゲップが増える原因には次のことが考えられるといわれる。
●空気を飲み込んでいる
そもそもゲップの原因は、空気を飲み込むことにある。胃液中の酸と混じってガスが作られ、口から出るのがゲップだ。早食いやドカ食いなどの食べ物を流し込むような食べ方をすると、空気も一緒に飲み込みやすくなる。また、ストレスにさらされていると、無意識に空気を飲み込んでしまう傾向があるといわれる。
水上健先生の『IBS(過敏性腸症候群)を治す本』(法研刊)によると、空気をより多く呑み込んでしまう「呑毛症(どんきしょう)」、医学的には「空気嚥下症」といわれるものもゲップが多く出る原因とある。緊張すると生唾を飲み込むことがよくあるが、通常、1回つばを飲み込むと、約15ccの空気が胃に入るのだという。多少空気が入っても、普通は自然に吸収されるか、静かに排出されるかで、問題にはならないという。しかし空気嚥下症の場合、体内で処理できる以上の空気を飲み込んでしまうことから、ゲップやおならとして排出されやすくなるのだという。
●胃の酸度が高い
平塚秀雄先生の『新版胃・十二指腸の病気(よくわかる最新医学)」(主婦の友社刊)によると、ゲップが出るときというのは胃の酸度が高いときだという。酸度を中和するには、市販の胃薬などに含まれる炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ剤で中和するといいそうだ、
●逆流性食道炎になっている
森田豊先生の『病院に行くほどではない」と放っておくと大変なことになる!』(扶桑社刊)によると、強い酸性の胃液が食道に逆流し、その胃酸で食道が炎症してしまう逆流性食道炎には胸やけやゲップの症状があるという。脂肪分の多い食品が好き、ストレスが多い人になりやすく、加齢も原因だという。