■オペアンプはBurr-Brownか新日本無線か!
『TU-8150』の音質チューニング方法その2はプリアンプ部のオペアンプ交換である。交換しやすいように最初からスプリング式のソケットが採用されている。元々、使われているオペアンプは2回路入りHiFiオペアンプ新日本無線『NJM4580DD』である。バイポーラ構造入力、超低歪率0.0005%、高利得・広帯域110dB、15MHzのローノイズ選別品で、スペック的に不満はない。
まず差し替えるのはBurr-Brown『OPA2604AP』である。超低歪率0.0003%、広帯域20MHzでFET構成入力。価格差は約28倍ある。S/N感がよくなり、女性ボーカルはスッキリした感じに。LUPINでは全体的な解像度が上がり、全てが好印象。
それなら、もっと新しいBurr-Brown『OPA2134』ではどうだろう。ハイスペックでハイコスパなオペアンプだ。超低歪率0.00008%、FET構成入力。価格差は約13倍。音の輪郭はさらにクッキリとして、真空管アンプらしからぬ硬質なイメージになる。ハイレゾ音源にはいいかもしれないが、このオペアンプは真空管アンプとはミスマッチかもしれない。
それでは同じく新日本無線が作った高音質オペアンプ『MUSES01』ではどうだろう。J-FET構造入力。価格差は約140倍。ウォームな雰囲気はそのままに低域のモコモコした感じが解消され、中低域の解像度が上がる。ヘッドホンで聴くとギターのピッキングがよく分かるようになった。LUPINでは全体的にややスッキリした音になるが、真空管アンプらしいウォームな音色は失われていない。
『MUSES02』ではどうだろう。こちらも高音質タイプでバイポーラ構造入力を採用している。価格差136倍。低域に馬力があって、ローエンドが伸びる。解像度はさらに上がるが、スッキリしすぎるかもしれない。Calling Youの透明感には磨きがかかった。音像定位は最もシャープである。