■連載/大森弘恵のアウトドアへGO!
◆通話・待ち受けの切り替えも再接続もハンズフリー
スキー場やフェス会場など、スマホを手に待ち合わせをしている人をよく見かける。けれどもアクティビティーを楽しんでいるときはすぐに電話に対応できるわけではないし、ずっと片手がふさがるのも大変だ。
2016年末にローンチされた「BONX Grip」は、スマートフォンのアプリを使い、ハンズフリーでグループ通話ができるアウトドアに特化したウエアラブルトランシーバーだ。
冬はスノーボード、夏はスケートボードやニュージーランドでの雪山滑走と、年中アウトドアスポーツを楽しんでいる宮坂貴大社長が「雪山でも仲間といっしょに会話しながら滑りたい、楽しみを共有したい」と思い立ち、一から設計したという。
ぱっと見は通話機能を備えたBluetoothイヤホンに似ているが、話をしているときだけ自動的にデータ通信を行うので、たとえば1時間の通信(話す12分・聞く12分・沈黙36分)で使用するデータ量はわずか5MB。また、万一圏外になっても、自動で再接続するので、グローブをはめた手でいちいち操作をする必要がないのが大きな強みとなっている。
実際に装着してみたところ、3種類のイヤーループと2種類のイヤーキャップが同梱されているので、組み合わせて自分好みにフィットさせることができた。また、頭を大げさに振っても外れることはない。
同社スタッフによると、サングラスやゴーグルをかけて使用しても痛くないとのこと。ただし、ヘルメットは形やサイズによって異なるが、耳を押しつけてしまう場合があるそうだ。バックカントリーやサイドカントリーを楽しむスキーヤー、スノーボーダーはヘルメットの装着率が高まっているので、このあたりは注意が必要。なお、40km/hを超える速度ではクリアな音質を確保できないので、オートバイなど高速移動時の通話は不向きとなっている。
BONX Gripを装着した株式会社BONXの宮坂貴大社長。「発想から2年9か月で製品化となりました。ストレスになる風切り音対策をして、バッテリーの保ちは連続通話7時間〜、生活防水・耐衝撃性、自動再接続などアウトドアでの使用にこだわった設計です」
アプリの設定をしたら、あとは通話をするとスタート、会話が終了したら自動的に待ち受けになる。本体の丸い大型ボタンは、ミュートや音量調節のためにある。
カラーは4種類。発色のいいピンクやグリーンは、フェス会場にぴったり。アウトドアウエアはクリーンなデザインが多いので、コーディネートのアクセントにもなりそう。