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世界で唯一AMTドライバーを採用したoBravoのイヤホン『eamt-3a』

2018.01.05

■イヤホンの存在が消え空間に浮かび上がるボーカル

井筒加奈江「時のまにまにIV 時代/かもめはかもめ」(96kHz/24bit)を聴いてみよう。このアルバムはオーディオチェック用としても有名で、ボーカルがいかに歪まずキレイに聞こえるかがポイントだ。今まではBA型のカスタムイヤモニが絶対王者で他の追随を許さなかった。『eamt-3a』で聴く井筒加奈江は自然体だ。構えたところがなくギターとボーカルだけのシンプルな音場が頭内に浮かび上がる。BA型は超微粒子をちりばめるような繊細なボーカルになる。その響きの消え際は顕微鏡的でさえある。AMTドライバーのボーカルはもっと力強くクッキリとしていながら、響きは繊細だ。BA型で聴くとイマイチだった絢香「遊音倶楽部〜1st grade〜/空と君のあいだに」(48kHz/24bit)のボーカルもザラザラした感じが消えて人間味が感じられる。Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!!/THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)のようにホットでノリのいい曲を聴くとハイスピードでテンポの音を出してくれる。

■カスタムイヤモニに負けない『eamt-3a』

私はユニバーサル型のイヤホンより、耳型を作るカスタムイヤモニの方が音がいいに決まっていると思っていたが、その常識を打ち破ったのが『eamt-3a』である。32万円(税込)と非常に高価な製品だが、他の方式では再生できない音の世界がここにはある。AMTドライバーはBA型と平面型のいいとこどりをしたようなタイプなので、この2つの方式が好みの人にはぜひ聴いてもらいたいイヤホンだ。

写真・文/ゴン川野

オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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