■アルミ合金ケースは解像度が高くタイトな音だ!
無事ケースに収まったが、S/PDIF出力用の拡張ボードは裸基板のままラズパイ3に上に乗っているだけである。これで果たして音に違いが出るのか。一抹の不安を感じつつ、従来のアクリルケースと比較試聴した。BNCケーブルでリファレンスDACと接続してApogee『Duetta Signature』を鳴らす。アクリル製ケースでは、手嶌葵「明日への手紙(ドラマバージョン)」(96kHz/24bit)の高域のエコーがよく聞こえる。Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!!/THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)はウォームな音色で低域に厚みがある。音場感がいい。これをアルミ合金ケースに変更すると、ベースがクッキリと引き締まった。低域の解像度が上がって音像定位がさらに明確になる。音の粒立ちがよく左右の分離も良くなった。明日への手紙ではエコーではなくボーカルが主役になり、しっかりセンターに定位してフワフワした感じが収まった。
やっぱりケースは音質を左右することが分かった。試しにアルミホイルを箱状にして拡張ボードを覆ってみたが、こちらは、ほとんど音質に変化はなかった。もっとキチンとしたケースが必要なのか。この部分は結構ノイズの影響を受けにくいのか分からないが、とりあえず、このアルミ合金ケースを使おうと思った。次は秋月電子通商の超ローノイズ電源キットを使って拡張ボードに独立給電をやってみたい。
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!
※記事内のデータ等については取材時のものです。