■収納家具は必要最低限に
ややこさんは、以前は汚部屋に住みながらも、カラーボックスやキャビネットなどの収納家具は多かったという。もっともそれらは、使わないものや目にしたくないものを、とりあえず入れておく場所と化していたという。
「今、お部屋で活躍してくれている収納は無印良品のポリプロピレン収納ケースです。湿気の多いわが家でも痛まずにすみますし、引き出しになっているので、ホコリが入る心配もなく、お手入れが楽チンです」
以前のカラーボックスの類は、粗大ごみとして処分したという。そして、活用している収納家具は、パツパツにものを入れるのではなく、ちょっと余裕があると出し入れしやすくストレスにならないとも。
■本当にほしいものだけを
ややこさんは、ミニマリストを勧めているわけでなく、買い物をしたときに感じる満たされた気持ちまでは否定しない。ただ、次々と買いこんで一時の幸福感を求めるのではなく、「本当にお気に入りのものがお部屋にあると幸せな気持ちになれる」ことを知ってほしいと言う。
「まず予算立てをして、その中で自分がこれだ、と思えるものと出会えるまで、インターネットで調べたり、実際に店舗へ行って触ったりして衝動買いせずにじっくり考えて買うようにするとよいです」
ややこさんが汚部屋を卒業して感じたのは、「片づけとダイエットと節約は連動」していることだという。これら3つの共通点は「毎日コツコツ挑戦すると結果が出る」こと。片づけの習慣が身につくと、同じく地道な積み重ねが必要なダイエットや節約にも気軽にチャレンジでき、実際の話、ややこさんは20kgの減量に成功している。もしかすると「一石三鳥」もねらえる、汚部屋予防の習慣術。本書を読んで、本格的にトライしてみてはいかがだろう。
ややこプロフィール
元「汚部屋の住人」=「オベヤー」。10年近くオベヤー暮らしののち、一念発起。大そうじをはじめて、そのもようをブログ『アラサー女子が汚部屋を脱出するまで』で公開したところ、反響を呼び、「汚部屋ビフォアフター・コンテスト」で受賞。
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。
※記事内のデータ等については取材時のものです。