なかなか落ちない衣類のシミ。うっかりこぼしたしょうゆや、落とした油性ペンが、お気に入りの服についてしまってブルーな気分を味わった経験は、誰しもあるはず。近所のクリーニング店に頼んでも完全には落ちなかった体験から、「シミは落ちないもの」と考えている人も多いだろう。
ところが、100円ショップで買えるものだけで、万能に近いシミ抜き剤ができると教えてくれるのが、茨城県でクリーニング店を営む横倉靖幸さん。店では、年間5千着以上のシミ抜きを請け負い、シミ抜き講師もこなす、まさにシミ抜きの達人。
横倉さんの考案したシミ抜き剤は『魔法水』と呼ばれるが、材料は安く簡単に入手でき、作り方も簡単。
<用意するもの>
・液体酸素系漂白剤(粉末漂白剤は、生地を傷めることがあるのでNG)
・食器用中性洗剤(除菌効果をうたうものは、色落ちのおそれがあるのでNG)
・重曹
どれも、近所の100円ショップやスーパーでふつうに買えるものでOK。
<魔法水の作り方>
1. 小さめのボウルに、酸素系漂白剤小さじ3を入れ、重曹小さじ1を加える。
2. さらに食器用中性洗剤を3滴加える。
3. 歯ブラシの毛で軽く混ぜ合わせる。これで完成。
効果が落ちたり、色落ちする可能性があるので、分量は厳守する。また、酸素系漂白剤と重曹が化学反応するときにシミを落とすので、混ぜ合わせは5周程度に。そして、3時間で使い切ること。
拍子抜けするほど簡単にできてしまうものだが、実際のシミ抜き作業は汚れの元によって微妙に異なるので注意が必要。例えばミートソースのシミは、まず水で薄めた食器用中性洗剤を叩きこんでから魔法水をつけるが、汗ジミの場合はスクラブ剤を使うなどといった違いがある。なお、黒カビやマニキュアなど、業者用の特殊な漂白剤や溶剤でないと落ちないシミもあるので、こうしたものはクリーニング店で相談を。そうした細かい作業工程や留意点については、横倉さんの監修した近刊ムック『魔法水でシミが落ちる!』(扶桑社)で説明されているので、詳細は本書をお読みいただくとして、今回は、ベーシックなしょうゆのシミ抜き手順を紹介しよう。