■貨物用の電気機関車で大人気。すっきり系のEF15
鉄道好きな人のために、ここから解説を少々します。専門用語が出てしまい恐縮です。言葉がわからない、興味が無い人は最終章まで文章は飛ばして、写真だけお楽しみいただいても結構です(笑)。凝った写真ではないですが、ビンテージな車両の味わいを楽しんでもらえれば嬉しいです。
では、ちょっと説明していきます。EF58という旧型電気機関車が旅客用の花形なら、このEF15は貨物用の雄と呼べるものです。初めは勾配の多い上越、奥羽線で活躍していましたが、性能が良かったため全国の直流電化区間で活躍する人気者になりました。おかげで1947年(昭和22年)から1958年(昭和33年)まで202両も作られました。
EF15はMT42というモーターを6機搭載しています。最大出力は1900kwということです。車輪の軸配置は1C+C1というものです。Cは動輪が3軸という意味です。そして先輪が1軸組み合され、それを前後逆に2組配置しています。
全長は17mと電気機関車としてはなかなかのサイズです。自重は102tもあり、相当なヘビー級です。展示されている車両はEF15 165で、日立製作所による製造だそう。1958年(昭和33年)7月に作られました。廃車となった1985年(昭和60年)10月まで27年間現役で活躍し、晩年は工事列車、イベント列車を牽引して吾妻線などの地方路線で活躍しました。
貨物用のため先輪が1軸なので、デッキがコンパクトなのが可愛らしいですね。スノープラウ(雪除け)が取り付けられたデッキ部は機能的ですっきり系の美形です。
室内ものぞいてきました。ところどころに木が使われていて、これまた実にビンテージ。手書きのペンキ文字や国鉄マーク(ご存知?)が入った扇風機なども超レトロ。どこにもハイテク装備は見られないのがうれしいです。