立春を過ぎると、日中は温かさを感じる日が多くなる。そして、日が落ちると一気に気温が下がることも忘れて薄着をしてしまい、風邪を引くことが多いのもこの時期。21世紀の今も、風邪の特効薬は実現されていないが、実は予防さえきちんとしておけば防げる病気である。
今回は、日々大勢の風邪患者を診察しながらも、自身は風邪とは全く無縁の、芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏医師の近著『最強の免疫力』(ワニブックス)をベースに、意外と知られていない風邪の予防と治し方を紹介したい。
●安いマスクも高いマスクも効果は同じ
1枚500円はする、N95規格(インフルエンザウイルスを含め0.1μm以上の大きさの微粒子を95%カット)の高性能マスクも、1枚100円くらいで買えるマスクも、ウイルスの感染率の点では効果は同じ。ただし、昔ながらのガーゼのマスクは、ほとんど役に立たないので注意。
●手洗いとうがいをしっかりと
当たり前すぎて案外おろそかにされているのが、帰宅後の手洗いとうがい。やるとやらないのとでは、風邪のリスクに雲泥の差がある。消毒用アルコールスプレーよりも、普通の石鹸を使った手洗いの方が効果的。石鹸は、固形と液状のどちらでもかまわない。うがいは、緑茶でするのがベスト。緑茶に含まれるカテキンには、抗菌・抗アレルギーなどの作用があり、インフルエンザの罹患率を下げる働きもあるという。