とはいえ、言うは易しで、学生時代に学んだ英単語の発音はいったん忘れ、何となくふにゃふにゃした感じで英文を発音するのは難しいかもしれない。そこでおすすめしたい参考書が、『怖いくらい通じるカタカナ英語の法則』(池谷裕二/講談社)。
著者の本業は、東京大学薬学部教授だが、米国留学時代に経験した言葉の壁をなんとか乗り越えようと苦心して編み出したのが、「カタカナ英語でいこう」メソッド。ネイティブスピーカーの発音を聞こえるとおりに、英文にカタカナをふって、何度も声を出して読むという方法である。著者は、謙遜をこめてこれを「開き直り」と言っているが、かなり有効な発音学習対策となっている。本書には約60の基本的な英文が載っており、その全てにカタカナでダメな発音と正しい発音が記載されている。例を挙げるとこんなかんじ。
・Good morning. ×グッド モーニング → 〇グッモーネン
・Give me some medicine. ×ギブ ミー サム メディシン → 〇ギンミスメデスン
・Have you been to Seattle? ×ハブ ユー ビーン トゥ シアトル? → → 〇ハヴュベナセアロウ?
後半では、「最後のLはウと発音する」など、発音にまつわる13の法則が説明され、補足として「RとLの言い分け方」や、脳科学の見地からの英語学習の理論的な話など、読み応えも十分ある。
本書で基本的な発音パターンになじみ、あとは実践の場でネイティブスピーカーの話すとおりの発音を心がけていけば、英会話力は飛躍的にアップするのは間違いないだろう。
文/鈴木拓也
老舗翻訳会社の役員をスピンオフして、フリーライター兼ボードゲーム制作者に。英語圏のトレンドやプロダクトを紹介するのが得意。
※記事内のデータ等については取材時のものです。