■ビュッフェスタイルを楽しむポイント
これらのマナー違反の行動を見て、思い当たることがあったかもしれない。しかし、基本はビュッフェスタイルのパーティーに招かれたら、ぜひ存分に楽しみたい。そのためにはどうすればいいか。
「ビュッフェスタイルをはじめ、すべてのパーティーや会合に言えることは、まず、どのような会の目的があり、自分はどのような役割を期待されてその会に招かれたのかということをしっかりと把握すること。その上で、その目的と役割に合った言動をすることがパーティーのマナーであり、ビジネスパーソンの役目でもあります」
●ビュッフェスタイルのパーティーを楽しむポイント
1.食べることより会話・会を盛り上げることを考える
「食べることよりも、人との会話や、会そのものを盛り上げることを意識しましょう」
2.食事は品の良い量を取り分ける
「お食事は盛り過ぎず、品の良い量を、自分の分だけ取りましょう。他人の分まで取り分けるのはマナー違反です。また、取り分けた料理は残さず食べること。食べ終わったお皿は、サイドテーブルの上に置くか、サービスマンに渡しましょう」
3.会社帰りのビジネススタイルの装いのままでの参加はNG
「男性は、スーツの胸ポケットにポケットチーフを入れるだけで華やかな装いになります。また、レディファーストを心がけるなど紳士的な振る舞いを意識しましょう。
女性は、ヘアメイクをしっかりと直し、光物のアクセサリーなどに変えて参加するだけでも華やかさがプラスされます。そして、美しい表情、美しい言葉、美しい立ち居振る舞いで会場に華を添えましょう」
そして船田さんは、次のようにアドバイスする。
「男女ともに、紳士淑女らしい振る舞いを心がけ、人との会話を楽しみながら人脈を広げ、かつ、その会の目的・役割を達成できますと、最高に素敵なゲストです。『またお招きしたい』と、思われるよう、お相手の気持ちを考慮した品格ある振る舞いを心がけたいものですね」
今度ビュッフェスタイルのパーティーに招かれたら、ぜひ参考にして自分自身の人脈づくりや印象・評価アップに役立てよう。
取材協力
一般社団法人 日本プロトコール・マナー協会 代表理事 船田三和子さん
「自他共に心豊かに幸せに生きる」ことをモットーとし、プロトコールから生活全般にわたるトータル的なマナーまで幅広く提案している。ひとりひとりの個性を生かすことを得意とし、人間関係や人生が大きく好転したと多くの受講生から好評をいただく。特に格式高いプロトコールを身近な教養として提供することで、法人・個人問わず多くのファンを獲得している。現在は、マナー教室を主宰のほか、企業研修、教育業界での講師も務め、各種メディアにも多数出演している。
http://www.protocol-manner.com/
取材・文/石原亜香利