■RATOC AudioLabからラズパイ内蔵トランスポートが登場する
海外にはラズパイの基板を組み込んだ製品を出しているオーディオメーカーが既に存在する。そして、日本からもラズパイを使ったネットワークオーディオトランスポート『RAL-NWT01』が7万2000円で発売された。中に入っているのは我々にお馴染みのラズパイ3ではなく、機器組み込み用の「Raspberry Pi Compute Module 3」と呼ばれる基板で、このままでは使えないのでラトックがオリジナルのマザーボードを作り、これを専用ケースに収めている。
特徴としては、金属ケースに基板を組み込むことで、外来ノイズや不要放射などのノイズを抑えて音質向上が狙えること。フロントパネルに起動/終了ボタン搭載、リアパネルの端子から専用電源による給電を実現。Volumio2プリインストール済みのmicroSDカードを挿入済み。これを使えばオーディオ用とは思えないラズパイ用ケースを使わず、スッキリした外見と配線がデスクトップで実現できるのだ。
■ラズパイがオーディオ機器感覚で使える
使ってみないと分からないのだが、ラズパイ3は電源用のmicroUSB端子が長辺にあり、HDMI端子とイヤホン端子と並んでいる。短辺には動作確認用LEDがあり、逆側にUSB端子とLAN端子がある。使う時はどの向きで置くのかに悩む。拡張端子を乗せると、さらに端子の方向が揃わなくなり、ますます混乱してしまう。本機はフロントにUSB2ポート、リアにUSB2ポートと分かれており、入力用と出力用として自由に使えるので非常に便利だ。さらにLAN、HDMI、OSアップデート用の端子、OS用のmicroSDカードスロット、電源端子はリアにまとめられている。これはオーディオ機器なら、当たり前の事なのだが、ホッとする。ラズパイ基板は完全にシールドされており外からは見えないが、フロントのLED表示で動作を確認できる。フロントパネルはアルミのヘアライン仕上げで文字もしっかり入っているため、どこから見ても普通のコンポである。
リアパネルには電源端子、microSDカードスロット、HDMI端子、USB端子、OSアップデート用の端子microUSB端子、LAN端子が並ぶ。さらにネジを外すと2.5インチサイズの内蔵用ストレージにも対応。
フタを開けてみるとマザーボードギリギリのサイズのケースであることが分かる。
マザーボードにはRATOCの文字が見える。これはまだ量産試作モデルなのだ。