■「写真の美しさ」とは
「インスタ映え」という言葉は、2017年の流行語大賞に選ばれた。
SNSの登場は、写真撮影の分野にも多大な影響を与えている。それまではデジタルカメラがフィルムカメラを完全駆逐するだろうと予測され、いかに画素数を上げるか、いかにセンサーサイズを大きくするかが徹底的に取り沙汰されてきた。だが、「写真の美しさ」とは景色をシャープに撮ることだけではないということに、ユーザーは気づいたのだ。
デジカメの画素数やセンサーサイズは、じつは「美しさ」とは直結しない。手ブレは「悪いもの」として捉えられているが、本当にそうだろうか? むしろ手ブレを美のひとつとして魅せる技量がその人にあれば、Instagramで多くのユーザーから支持されるはずだ。
汗まみれの男、埃だらけの蒸気機関車、徐々に枯れ始めている草木。それらを無理やり修正するのではなく、そのままの姿で印画紙に焼きつける技術。芸術価値のある写真とは何なのか、人々を魅了する写真とは何なのか。筆者は今も、それを頭の片隅で考察し続けている。
アクティブスタジオ
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取材・文/澤田真一