■デザイン処理が格段に向上したアジアメーカー
房野氏:操作面、背面にガラスを配したサンドイッチ処理と、ディスプレイの比率が2:1というコンセプトが、ハイエンドスマホのトレンドになりましたね。
法林氏:ガラスサンドイッチは、もう1回トレンドの波が来たって感じですね。
石野氏:その中でも、処理は抜群にファーウェイのやり方がきれい。
法林氏:やり方もいろいろあって、iPhoneとかNote8みたいに、背面がフラットになっているものもあるし、Note8の場合はフラットといってもサイドはエッジスクリーンになっている。ファーウェイは3D背面という言い方をしていたけれど、あれはやっぱり持ちやすい。
石川氏:でもMate 10 Proは「Qi(チー、非接触充電機能)」が載っていないですよね。だから3D背面にできるんですよね。非接触充電しようと思うと平らじゃないといけないから、結果、iPhone XとかNote8みたいに、ガラスでのっぺりせざるを得ない。
石野氏:そうじゃないとツルッと落ちちゃいますからね。
房野氏:ガラスの端末は、ちょっと重いですよね。
法林氏:Mate 10 Proはそうでもないけど、iPhone XやNote8が重いのは、Qiのコイルのせい。それで重いんですよね。
石野氏:しかも、Note8は高速ワイヤレスだから。
房野氏:コイルの巻き数が多いのかもしれませんね。
法林氏:「iPhone 8 Plus」が200グラム超えだっけ。
石野氏:8 Plusは重いですね。それに比べてLGの「V30+」は”超軽”という印象。あまりにも軽過ぎて、これ、背面がプラスチックなんじゃないか疑惑が出てくる(笑) 人間の感覚って不思議なもので、同じガラスなのに、持って軽いとプラスチックなんじゃないかと疑ってしまうっていうね。
房野氏:デザイン的な処理で、ファーウェイが伸びてきた理由は何かあるんですか。昔のファーウェイには悪評もありましたが。
法林氏:10月にミュンヘンであったMate 10の発表会の取材で、メディアのみなさんと食事したときに、あるライターさんが「スマートフォンは常に手に持っている自分の持ち物なので、時計やアクセサリーと同じ。きれいかどうかがすごく大事です」って話していた。ファーウェイが伸びた理由って、たぶん、そういう仕上げがすごく良くなったからだと思うんですよね。最初の頃のファーウェイは……
石野氏:あまり良いデザインではなかった。
法林氏:今は確かに良くなったと思う。
石野氏:どこかの時点でデザイナーを変えて、デザイン研究所をヨーロッパに作ったりして、そこから格段に良くなりましたよね。去年の「Mate 9」あたりは、もうグローバルトップレベルに肩を並べるぐらいになったなと感じました。
房野氏:Galaxy S8/S8+もデザインがすごくきれいで、アジア系メーカーのデザインが侮れないっていう感じがします。
法林氏:Galaxyは「Galaxy S6/S6 edge」でデザインを一新したじゃないですか。6で変えて、7が6と同じで、S8/S8+のときに7を引きずらないで、また新しいデザインにしたのが、僕は偉いと思う。あの姿勢は、すごく良かったと思う。
石川氏:それはソニーに対しての牽制ですか?
法林氏:それもあるかな(笑)
房野氏:ただ、Note8はちょっと垢抜けない感じがしませんか?
石野氏:あと、手帳感のある純正アクセサリーがないんですよ。
法林氏:サムスンはグローバルでは、他メーカーの追随もあってアクセサリーも頑張っているけど、日本市場への投入に関しては、ちょっと石橋を叩いて渡る感があるかな。
房野氏:それは、キャリアを通しているからですよね。
法林氏:そうでしょうね。