■Mate 10シリーズの値付けが絶妙
房野氏:ファーウェイの端末の値付けは、どう思われますか。
法林氏:今回は、すごかったですね。「Mate 10 Pro」と「Mate 10 lite」は値段の付け方が絶妙。
石野氏:ミュンヘンの発表のとき、現地では799ユーロ。直換算すると10万6000円くらい。
法林氏:1ユーロが130円超なので、10万円は超えるだろうと予想した。
石川氏:スペック的に見ても他の機種と比較してみても、10万円を超えておかしくない端末だと思ったんです。欲しいけど、どうしようかなと思っていた。実際は、消費税を足しても10万円以下の値段になったので、頑張ってるなという気もするし、かなり攻めているような気がする。
石野氏:799ユーロは、20%の欧州の税金、VAT(付加価値税)込みのようです。でも、それでも安いですね、日本で買うんだったら、gooですよgoo。gooのキャッシュバックですよ。
法林氏:あれ、いつか言われると思うよ。
石野氏:言われかねないですね。総務省から。
法林氏:総務省よりもっと怖いところから指摘される可能性がある。
房野氏:ファーウェイの値付けがうまいのは、SIMフリーだからでしょうか。
法林氏:そうでしょうね。SIMフリー端末としてお客さんが買う値段として。前の「P10 Plus」に対しての「P10 lite」の値付けもそう。Mate 10 liteは、実は海外ではMate 10 liteとしては売ってないモデルなんですよ。
石野氏:あれ、何なんですか?
法林氏:「nova 2i」というモデル。それを今回、日本ではMate 10 liteとして売っているそうです。
石川氏:その辺もうまいな。
房野氏:Galaxyとかは、キャリアの息がかかっているから、ああいう値段になってしまうということでしょうか。
石川氏:うーん……表向きの値段は高くなっちゃうけれど、ただ企業努力はしてますよね。商品券付けたりとかして。
法林氏:そこはキャリアさんが頑張るケースもあるし、メーカーさんが頑張るケースもある。サムスンは、例えば「Gear VR」を付けてみたり、今年は「Gear 360」を抽選であげたりとか、いろいろ頑張ってやっているじゃないですか。また、LGは「V30+」をドコモとauとで出しますけど、ドコモで買うとGoogleの「Daydream View」が付いてくる。auはないけど。
法林氏:au WALLETポイントで5000円分返ってくる。
石川氏:Daydream Viewじゃなくて、5000円もらえるほうがいいとも言える。
法林氏:それは、石川君がDaydream Viewを持っているからでしょう。一般の消費者のこと考えなさい。
石野氏:そうですよ。
法林氏:VR未体験の人にとっては、嬉しいかもしれない。あとVRは、プラットフォームとしては、今のところまだ、サムスンのほうが、数が多いので使いやすい。
石野氏:通信事業者として、どっちが本来の姿かというと、Daydream Viewを付けた方が、新しいコンテンツや技術をユーザーに体験してもらえるという意味で、5000円キャッシュバックより建設的だとは思います。
法林氏:そういう意味で、ファーウェイはうまく値段を付けた。これぐらいの値段だったらいいかなと思えるような値ごろ感を、ファーウェイはちゃんと持っている。
石野氏:うまいですね。しかも、この変動する為替をうまくコントロールしている。
法林氏:偉いと思う。今回の値付けも、それがうまく反映されている気がする。そりゃスマートフォンで9万9800円は十分高いと思うし、キャリアで買うみたいにバリューがないわけだし。それでもやっぱり、10万円を超えると、例えば僕らみたいな個人事業主だと資産になるとか面倒なことになる。そこをクリアしているのは偉いと思いますね。
房野氏:あと、Mate 10 Proを高いと思っても「lite」があるじゃないですか。あれはいいですよね。
石野氏:そうなんですよ。それがうまいなと思う。ファーウェイってブランド名をコロコロ変えるというか、ブランド不詳の端末に、その場に合ったブランドを付けていくような、2軍みたいな端末があって、「nova lite」もそうでした。あれも海外だと別の名前で売られている。そして、今回はnovaがMateになっている。フラッグシップは変えないんですけど、ミッドレンジにそういう都合のいいブランドを付けたり。
石川氏:みんなそうなってきた。AQUOSもそうじゃないですか。「AQUOS R」と「AQUOS R compact」というように、ハイエンドが象徴としてあって、だけど「高いからちょっと買えないかな」というので、その下に廉価版を用意する。それが今一番利いているのはファーウェイなのかなと思うし、Appleもそれが得意だったりする。
石野氏:「P10」と「P10 Plus」もそうですよね。でも数が一番取れているのは「P10 lite」。
石川氏:発表会でMate 10 liteを見て、こんなモデルがあったんだと思ってびっくりしたもんなあ。
石野氏:nova liteは海外では何だったかな。違う名前だったんですが、都合のいい端末が何台もあって、それを市場に応じて最適なブランドにしているっていう。まあ、そうはいっても一応フラッグシップは、ちゃんと統一ブランドとしてやっている。
法林氏:ちゃんといわなきゃいけないのは、Mate 10 Proは、ちゃんとした端末だということ。すごいでしょう。
石川氏:Mate 10 Proはいいと思いますよ。
法林氏:めっちゃいいと思う。
石野氏:そうですよ、欲しいですね。
石川氏:今年出た18:9スマホでいうと断トツかもしれないな。
房野氏:そんなに推していますか?
石川氏:断トツは言い過ぎたかも?(笑)
石野氏:いや、Note8もiPhone Xもいいですよ。
石川氏:Androidね。Androidの18:9ディスプレイ端末の中で。
石野氏:Note8があるじゃないですか。
石川氏:Mate 10 Plusはデザイン的にもかっこいいし、AIが載っているし。
石野氏:確かに背面デザインは一番うまいかもしれないね。この3大メーカー端末(Note8、iPhone X、Mate 10 Pro)の中で。
石川氏:LGの「V30+」も入れていいと思いますよ。
石野氏:市場シェアの上位3位までに限定すると、背面の処理が一番うまいなと。