私の好きな2つのヘッドホンが最近モデルチェンジした。beyerdynamic『T1 2nd Generation』とSENNHEISER『HD800S』である。広々とした音場に音の微粒子がきらめく。どちらも純正でバランス接続ケーブルがあり、もちろんバランス駆動で鳴らした方がいい。これらのヘッドホンはインピーダンスが高いことから鳴らしにくい、ヘッドホンアンプを選ぶモデルとしても有名である。
信頼できるヘッドホンアンプと言えばOJI Specialなのだがフルサイズでデスクトップで気軽に使うという製品ではない。そこで注目したのがRE・LEFFのコンパクトな『E-1』である。元SONY開発部門の中山邦男氏が設計するUSB/DFC内蔵ヘッドホンアンプで、サイズは幅179×高さ44.5×奥行き227mmとデスクトップサイズで専用の木製スタンドでタテ置きにできる。受注生産で価格は190万円(税別)である。必要に応じてXLRのバランス入力対応などの変更も可能だ。
■ハイエンドだがだがオーディオマニア向けではない
「このヘッドホンアンプは音楽好きの人にために作りました。どの部屋でも最上の音楽が楽しめるように音の出口にスピーカーではなくヘッドホンを選びました。手持ちのPCにUSBケーブル1本で接続できるようにDACを内蔵させました」と代表取締役社長の古賀剛氏は語る。
さらにどんなヘッドホンも鳴らせることにもこだわったという。
「従来のヘッドホンアンプは電圧駆動型だったので接続するヘッドホンによってゲイン切り替えが必要でしたが、本機は電流帰還型の電流駆動を採用して、幅広い種類のヘッドホンに対応します。電源部はセパレートで4重安定化電源を使っています。筐体にもこだわって航空機用アルミ合金を使った削り出しでネジは一切見えません。シンプルに徹してブランドやメーカー名も入れず電源スイッチのデザインに独自性を持たせています。この形を見たら弊社の製品と思っていただけると嬉しいです」