■リアルなボーカル、ニアフィールドで抜群の音場感
Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!!/THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)を聴くと、やや中低域寄りのバランスでスピード感のある低域が楽しめる。高域は『FE83-Sol』のように音の粒立ちを強調することなく、なめらかで聴きやすい音だった。音場は左右に広くセンターの音は薄くならず厚みがある。もっとクッキリとヌケがいい高域が好きな人にはFOSTEX『FT17H』などのツイーターを加えることをオススメする。試聴ではBearHorn『TW-FT17H』をスタンドに使って1.5μFの電解コンデンサでつないで逆相接続が好印象だった。
今までスピーカーまでの距離は1.8mだったのだが、これを1.2mまで近付けてニアフィールドにするとボーカルがピンポイントに決まる。手嶌葵「I Love Cinemas -Premium Edition-/Calling You」(96kHz/24bit)では、ハッとするほどボーカルがリアルで、音の粒立ちもよくなった。中低域とのバランスもよく、私ならこの距離で聴きたい。離れた距離で大音量再生するなら『ASB1081』、解像度と高域重視なら『BW-83Sol』といったすみわけになると思う。キットが苦手な人には塗装済み完成品『BW-88Sol DX』7万9000円(税込)も発売予定。こちらは底板にスタンド用の板がもう1枚追加される。限定ユニット『FE88-Sol』を手入れたら、ぜひその実力を発揮できるバックロードホーンで鳴らしていただきたい!
スイープトーンを使って測定したスピーカー軸上1mでの周波数特性。
ホーン開口部にマイクを置いて50Hzのテストトーンを出して測定。バックロードホーンは50Hzから効き始めて300Hzにピークができるようだ。
写真・文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!
※記事内のデータ等については取材時のものです。