4.いきなり用件を切り出さない。まずは『要点』を伝える
「電話をかけてきて、いきなり用件を切り出す方がいます。対面では状況や前後の流れで、何の話か察しがつく場合も多いですが、電話は違います。
電話は予告なく、突然かかってくるので、前提条件が分からないと受け手は何の話をされているのか理解できません。勝手な人だという印象を与えます。まずは、電話の目的、相手への要望などの要点を手短に伝えた後に本題に入りましょう」
5.分かりやすく正確に話す
「対面・電話いずれも大事ですが、特に電話では、相手が『聴いてすぐ理解できる』ように話すことが大事です。それには分かりやすく正確に話す必要があります。そのポイントを2つ挙げます」
●語尾までしっかり話す
「日本語は最後まで聴かないと、相手の言いたいことが分かりません。語尾が聞き取れるように最後まではっきり話しましょう」
例)「この映画はおすすめです」「この映画はおすすめしません」
●一文を短く、順序よく話す
「一文が長い話は、聴いている人が疲れます。勝手な解釈に陥りがちで、言いたい内容が、正確に伝わりにくくなります。そのため、相手が理解しやすいように、短文で、順序立てて伝えるようにしましょう」
例)
・要点を言って予告をする 「カタログのレイアウトについて確認のお電話をいたしました」
・用件数を先に伝える 「確認したい箇所が、3点ございます」
・相手の状況を確認する 「今、ご覧いただける状況ですか?」
・数字や固有名詞などを具体的に 「まず一つ目は、3ページ上から10行目です」
「声」だけで表現する必要のある電話は、それだけ対面とは違うむずかしさがある。しかしちょっとした意識がけで、ビジネスチャンスにつながることもある。
阿隅さんいわく、「相手に対する配慮を大切に、電話からビジネスチャンスにつなげてください」とのこと。ぜひ次の電話から実践してみよう。
取材協力
WACHIKA(話す力)代表 阿隅和美さん
元NHK衛星放送キャスター。中部日本放送アナウンサーを経て20年に渡りTV番組で、のべ3,000回のインタビュー取材、20,000人以上の前に立つ。現在は、話し方・プレゼンテーションやコミュニケーション研修、講演の他、経営層・エグゼクティブ向けコンサルティングも行う。著書に『心をつかみ思わず聴きたくなる話のつくり方』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。
http://wachika.com
取材・文/石原亜香利