■電話で話をするときの5つのポイント
阿隅さんは、電話で話をするときに気を付けたいポイントを5つ挙げる。いずれも実践することで、ビジネスコミュニケーションが良好なものとなりそうだ。
1.声のトーンはドレミの「ミ」
「話す相手が少人数の場合、一般的に対面ではあまり声のトーンを気にすることは少ないと思いますが、電話では、普段より高いトーンで話すと感じの良い印象になります。普段の声が『ド』だとすると、電話では『ミ』のトーンが目安です。
また、電話では、対面のときよりも大きく抑揚をつけて表現をしないと気持ちが伝わりません。『ありがとうございます』『申し訳ございません』と言うときも、一本調子では事務的な印象になってしまいます。電話で『ミ』の声のトーンでスタートするといい理由は、声の幅が広がるので、抑揚がつきやすくなるためです。
また『恐れ入りますが…』などのクッション言葉も、一本調子で抑揚の無い話し方をしてしまうと、かえって無礼な印象に受け取られる恐れがあります」
2.基本は笑顔で話す
「声には、気持ちや態度が表れます。対面でも電話でも、基本は笑顔で話すと明るい印象で好感を持たれます。電話で、相手が見えないと思って油断をしてはいけません。面倒だ、という気持ちで話していると、声のトーンも暗くなり、語調などからイライラしているのが相手にも伝わってしまいます。
また、PC作業をしながらなど、『ながら』電話も、その気配は声を通じて相手に伝わっています。電話であっても姿勢を正し、基本は笑顔で応対しましょう。
もちろんお詫びの際などは、内容に応じて笑顔ではなく、声のトーンを抑えてください」
3.あいづちの言葉は短く感じよく
「電話では相手が見えない分、あいづちの言葉で『積極的に聴いています』という合図を送り続けます。このあいづちが、『はあ』『ええ』などといい加減では、相手に不快感を与えてしまいます。
また、『そうなんですか~』『なるほど~』など、あいづちの言葉を伸ばす癖がある方がいますが、語尾を伸ばすと信頼感に欠ける印象になってしまいます。電話では『はい』という短い返事でのあいづちが、感じよく効果的です」