ビジネスにおいて、「対面」で話すときと「電話」で話すときとでは、「話し方」に変化をつけているだろうか。話し方のプロによると、電話は対面とは大きく異なる点があるため、よくポイントを押さえることが大事だという。そして電話の話し方によっては、をつかむこともできるという。
そこで今回は、話し方のプロから、ビジネスにおける電話の話し方のポイントを教えてもらう。
■「対面」と「電話」の“話し方”の違い
「対面」と「電話」の違いといえば、相手が目の前にいるかいないかという点だ。そのため、「話し方」も必然的に変わってくる。いったいどのように変えればいいのか。元NHK衛星放送キャスターで、話し方コンサルタントの阿隅和美さんは次のように話す。
「対面と電話で最も異なるのは、対面は『ノンバーバルコミュニケーション(非言語)』、電話は『声』だけのコミュニケーションの要素が大きい点です。
私たちが普段、コミュニケーションによってやりとりをしているのは『情報』『意思』『感情』です。対面ではアイコンタクトはもちろん、表情・態度などの『視覚的な効果』が聴き手の心理に大きく影響を及ぼします。『感情』をノンバーバルでやりとりできるのです」
●「対面」の例
『はい、承知しました』という返事
目を見ながら言うと…『熱意がある』『誠実そうだ』と判断される。
目をそらして言うと…同じ返事でも『やる気がない』『信用できそうにない』と思われる。
「一方、電話は『声のみ』ですから、声のトーンやスピード、発音、滑舌、抑揚、言葉遣いなどのあらゆる声の表現を駆使して、相手に『感情を上手に伝える』ことが大切になります。また、電話の向こうで忙しいかもしれない相手に負担をかけないように、分かりやすく簡潔に用件を済ませる、『正確に伝える技術』も必要になります」