座り心地を確かめているうちに列車は甲府駅を発車。徐々に速度を上げながら注目の曲線区間にさしかかる。従来の「スーパーあずさ」は傾斜感と若干の固めの揺れを感じ、「カーブを攻めて曲がっている!」感が強かったが、新型車両は実にスムーズ! 1.5度の傾斜角はほとんど感じられなかった。カーブだけでなく全体を通して揺れが少ないが、これは揺れを強力に抑制する「動揺防止制御装置」が全車両に搭載されているというのも大きい。カーブの乗り心地を考える際、単体のカーブではなく、左右と連続してカーブを走行するときが一番ポイントだと筆者は考えている。振り子式の場合、こういったシーンで左右の揺れが一番大きくなる傾向にあり、体が大きく振られるからだ。しかしE353系は、左右の揺れを大幅に軽減しており、滑らかさと高速性を見事に両立した。
ノートPCも置きやすくなった新テーブル。揺れが低減したので作業環境も向上!
ちなみにこの車体傾斜をさせるタイミングについては「ほんの少しタイミングがずれるだけで大きな違和感が出るので、徹底的に試運転を繰り返してチューニングしました。走行中にタイミングがずれても元に補正する機能も付いてます」と教えてくれた。
そして上位クラスのグリーン車もご紹介しよう!客室のドアを開けると目に留まるのがレッドカーペット! 天井にまで伸びるレッドラインが上質な空間を演出。大型でクッション性の高いシートはグリーン車にふさわしい快適性だ。普通車よりもさらに大きなテーブルは手前に引き出して使用することもでき、広いシートピッチのグリーン車でも違和感なく使用することが出来る。
定員30名のゆったりとしたグリーン車。コンセプトは「機能性と高揚感、クラス感」