
■連載/メンズビューティー通信
男性の育毛にも効果的な椿油の威力
女性の髪のつや出しのため、3世紀も前に使われはじめた椿油。今も、女性のヘアケアに重宝されているが、意外にも男性の育毛にも役立つという。
男性の髪は、様々な理由から生える速度が遅くなったり、抜け毛が増えたりし、その症状が続けば薄毛につながる。髪の生育速度や抜け毛のトラブルについては、AGA薬の薬効が広く知られるようになってから、ホルモンの一種であるジヒドロテストステロンが悪玉に挙げられることが多くなった。
このせいで、薄毛の素因となる、もっとベーシックな問題が見過ごされがちになっている。その一つが「髪の毛穴の詰まり」。
健康な状態でも、髪の毛穴からは多くの皮脂が分泌される。鼻の頭から皮脂が過剰分泌されることが原因で、「いちご鼻」になることはよく知られているが、髪皮は鼻の頭よりもずっと皮脂の分泌量は多いという。
そのため、髪の毛穴はけっこう詰まりやすい。それを解消する専用シャンプーがあるが、洗浄力が強すぎて別のトラブルを招くことがあり、注意が必要。
そこで今注目されているのが、椿油。近刊の『椿油のすごい力』(佐光紀子著/PHP研究所)によれば、椿油を少量頭皮につけ、5分ほどそのままにしておくと、毛穴の古い皮脂が椿油となじんで浮き上がってくるという。
椿油には、オレイン酸トリグリセリドが多く含まれているが、これは人間の皮膚のうるおい成分にもっとも近い。そのため、頭皮に余計な刺激を与えることなく、皮脂となじみやすい性質がある。
あとは普通のシャンプーで洗い流すと、皮脂は椿油と一緒に落ちて毛穴の詰まりも解消されるわけ。