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ミステリーツアー気分で旅行できるJALの「どこかにマイル」攻略法

2017.12.17

というわけで、僕自身もさっそく申し込むことにした。何度も再検索をしていると、表示される都市に偏りがあることが分かってくる。自分のケースでは、なぜか小松がよく出てきた。「うーん、また小松か」となるわけだ。金沢へは近年は北陸新幹線に客足が流れたせいで、空路は空いているのだろうか。当然ながら、検索時点で空席がない便は表示されないはずだ。無料の特典航空券なのだから、航空会社からすれば不人気路線の座席を開放した方が利点があるよなあ、などとあれこれ邪推してしまう。

ミステリーツアー気分でお得にマイルで旅ができる「どこかにマイル」攻略法

これが完全にランダムだったなら、きっとあまり深いことは考えないだろう。候補地が4箇所ピックアップされ、しかもそれを何度も再検索できるところがこのサービスのポイントである。これは、考え方によっては、攻略の余地があるのだとも言える。ひょっとしたら、目的地を絞り込めるかもしれない――旅人としては何か裏ワザがないか考えてしまうのだ。

たとえば、検索していると、4つの候補のうちの2つが大阪(伊丹)と大阪(関空)になることがあった。どちらに飛ぶとしても、旅の目的地自体は同じ大阪であり、こうなると確率は4分の1ではなく2分の1になる。また、4つのうち3つが帯広、女満別、釧路というパターンもあった。言うまでもなく、すべて北海道の都市である。これで4つめの候補が札幌(新千歳)だったしりしたら……なんてことも思ったりしたが、僕が試した限りではそこまで極端な検索結果は出なかった。

もっとも、システムが完全に確率通りなのかどうかは、ユーザー側では確認しようがない。表示される候補は4つだとしても、本当に4つとも候補として扱われているのかは定かではないし、深読みすればソシャゲ―のガチャのように、当たりやすい都市とそうでない都市が設定されている可能性だってあり得る。まあ、疑い出すとキリがないし、こういう企画は楽しんだ者勝ちなのだが。

ひとつ確実にできることとしては、フライト時間から候補地を絞り込む手はある。着目すべきは復路だ。「どこかにマイル」では日付のほか、時間帯を5つから選択する仕組みになっている。最も早い時間帯が「05:00~08:59」なのだが、地方発羽田行きになると、この時間帯には飛んでいないケースがままある。また、逆に最も遅い時間帯の「19:00~23:59」も同様に一部の路線は存在しない。それらの時間帯に便がない路線は表示されなくなり、候補地数が多少は少なくなるわけだ。どこが該当するのかは、JALのサイトで公開されている時刻表で確認すればいい。

抽選結果には、どうしても当たりと外れが出てくる。必要マイル数が6000固定であることを考えると、より遠くへ行った方がお得度は高い。具体的には沖縄は、個人的には当たりだと感じる。それも那覇ではなく、石垣や宮古といった離島だったとしたらもう大当たりと言っていい。石垣や宮古への直行便は有償だと高くつくし、人気があるので通常の特典航空券でも空席がなかなか取れないからだ。

どこが当たりなのかは、利用者によっても変わってくる。大阪や福岡といった仕事の出張でよく行くようなところよりも、普段は馴染みがない地方都市へ行ってみたいという人はいるだろう。いまは寒い冬の時期だから、暖かい南国へ逃げたいところだが、あえて雪深い東北・北海道へ行ってみるのもそれはそれで話のネタになる。ちなみに、担当編集I氏は女満別、秋田、三沢、岡山の4候補から申し込んで、秋田に決まったそうだ。「真冬の秋田に……」と笑っていたが、よく考えたら岡山以外はすべて雪国ではある。

僕はというと、「石垣が出てこないかなあ」と内心狙いを定めつつ何度も検索したのだが、結局前後の日程も含めて石垣は一度も表示されなかった。表示される4つの候補が、極力自分が行きたい都市になるように繰り返しリロードさせた。ところがベストな形にはなかなかできず、そうこうするうちに、前述したように再検索回数の上限にひっかかってしまい、この日は申込みできなくなってしまった。欲張りすぎはよくない、ということか。

ミステリーツアー気分でお得にマイルで旅ができる「どこかにマイル」攻略法

翌日、気を取り直して再びトライしてみた。そうして釧路、出雲、松山、広島の4つが表示されたところで、申し込みを済ませた。結果発表は申し込み後3日以内とのことだが、実際には数時間後には「ご搭乗便決定のお知らせ」というメールが届いた。ただし、メールには行き先が記載されておらず、指定のURLをクリックするようにとのこと。逸る気持ちを抑えながらサイトを開くも、最初の画面ではまだ行き先が表示されない。随分ともったいぶるのだが、ポチポチ押して何度かページを切り替えて、ようやく搭乗便の画面へ辿り着くと、どうやら松山に決まったのだと判明したのだった。

文/吉田友和

1976年、千葉県生まれ。初海外旅行が夫婦で世界一周旅行。その旅の過程をまとめた『世界一周デート』で、旅行作家としてデビュー。「週末海外」というライフスタイルを提唱し、国内外を旅しながら、執筆活動を続けている。

※記事内のデータ等については取材時のものです。

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