今日も街じゅうで流れるクリスマス・ソング。日本語歌詞はほとんどクリスマス一色の内容ですが、英語の歌詞をみると実はクリスマスに全然関係ないものがあることは、意外と知られていません。クリスマス・ソングとひとくちにいってもその発祥はさまざまで、歌われている内容も幅広いのです。ここでは「定番」クリスマス・ソング10曲の「真実」を紹介します。知的でおしゃれな聖夜のトークネタは、これでバッチリです!
1「ジングル・ベル」
クリスマス・ソングの代名詞的この曲は、なんと!クリスマスを歌った作品ではありません。1858年に牧師兼作曲家のジェームス・ピアポントが感謝祭(11月)のために作った歌で、本来のタイトルは「馬ゾリ」。つまり、ジングル・ベルはトナカイの鈴ではなく、馬の鈴なのです。内容も馬ゾリ遊びの楽しさを歌っていて、クリスマスについてはまったく触れていません。ビックリの新事実です。
2「サンタが街にやってくる」
数多くのブロードウェイ・ヒット・ミュージカル曲を書いたフレッド・クーツ(作曲)とヘヴン・ガレスピー(作詞)が1934年に作った曲で、当時ラジオを中心に大ヒットしました。英語歌詞は、子供たちがいい子にしているかサンタクロースが見に来るという内容です。しかもリストを見て2度もチェックするという、つまり子供に向けて歌う「しつけ」ソング。とはいえ、クリスマス気分がバッチリ盛り上がる名曲。カーペンターズ、ビーチ・ボーイズからリチャード・クレイダーマンなど多くのアーティストがカヴァーしてきました。ビルボードの「スペシャル・クリスマス・チャート」では、70年と71年にジャクソン・ファイブが、85年にはブルース・スプリングスティーンのカヴァーが1位になっています。
3「ウィンター・ワンダーランド」
1934年に発表されたポピュラー・ソング。ルイ・アームストロングやビング・クロスビーら、当時の人気ジャズ・シンガーたちはもちろん、その後、カーペンターズやシンディ・ローパーら、多くのトップ・アーティストが歌い続けています。
4「赤鼻のトナカイ」
誰もが知っている「真っ赤なお鼻のトナカイさん」ですが、英語のタイトルは「赤い鼻のトナカイ、ルドルフ」。ちゃんとトナカイには名前がついているのです。アメリカで1939年に出版され、600万部を超えるベストセラーとなった児童書『赤鼻のトナカイ、ルドルフ』のストーリーをベースにした、いわばキャラクター・ソングです。40年代末にジーン・オードリーが歌ったレコードは当時200万枚を売り上げ、ビルボード・チャート1位の大ヒットになりました。クリスマス・ソングってアメリカのヒット・ソングが圧倒的に多いのです。
5「アイド・ライク・ユー・フォー・クリスマス」
「ルート66」の作者として知られるシンガー・ソングライターのボビー・トゥループが、美人ジャズ・ヴォーカリストのジュリー・ロンドンのために書いた曲。ジュリーのシングル盤は1957年に発売されて大ヒットしました。歌詞は「クリスマスにはあなたにいてほしい」という、「日本のクリスマス」にも共通する内容。ちなみにトゥループは2年後にジュリーと結婚しちゃいました。これはオトナ向けの「使える」クリスマス・ソングなのです。