■スマートホーム先進国なアメリカ
これも便利には違いないと思うが、現時点では生活自体を便利にするようなものではないのが残念なところ。これに対して、スマートホーム先進国のアメリカではもっと便利な状況になっている。
以前の僕の連載でも、CESレポートとして、GPSで家に近づいてくるのを検知してエアコンで快適な温度にコントロールしてくれるとか、スマートタグで部屋に人がいるのを検知すると、その部屋の空調をオンにしてくれて、人がいない部屋の空調をオフにするので、省エネになるという便利ものを紹介した。
また、同じく以前に連載で紹介した「Ring」という日本のコントロールデバイスは、指輪のような形状で指に装着し、指の動きで対応オーディオ機器をコントロールして音楽を再生したり、対応機器の電気をつけたり、消したり、さまざまなことができる。
■スマートスピーカで音声コントロールするのがトレンド
コントロールに対応した機器が多いアメリカだが、ここに新世代のデバイスが登場し、流行している。それがアマゾンの「Alexa」(アレクサ)だ。
正確にいうとAlexaは音声認識ができる人工知能で、製品としてはAmazonの「Echo」という筒のような形状のスマートスピーカーがある。
Echoは最初、アマゾンで販売している製品を音声で注文できるというだけのものだったが、今ではRingのように対応機器をコントロールできるスマートホームコントローラ的な機能も持つデバイスになっている。音声で指示して音楽をかけたり、照明をつけたりできるわけだ。
これが最近のアメリカのスマートホームのコアになってきている。
この種のスマートスピーカはAmazonだけではなく、Googleからもリリースされている。それが「Google Home」だ。これはGoogleのサービスも利用できるので、仕事にも活用できる。
そして、アップルも「Home Pod」を発表し、米国では今年の末に発売される。これはアップルらしくSiriを搭載し、気の利いた会話もできそうだ。
このようにいくつも代表的なIT企業からスマートスピーカが発売されることで、この市場はかなりホットになっている。スマートフォンブームはある種の限界に達したように見えるが、今後、それに続くような市場になっていくのかも知れない。
ちなみにこのなかでGoogleHomeは今年末に日本で発売される可能性があるので要注目だ。日本のスマートホーム事情が一気に加速するかも知れない。