■自動になっていいこと。そして未来のスニーカーはどうなるの?
さて、冒頭で靴ひもは自動になるのか? と書きました。もちろん、すべての靴ひもがなくなることはありませんし、記録が最優先となる100m走などのシリアスアスリートは、軽量化を優先するため「アダプティブ・レーシング」を搭載しないかもしれません。
ただ、靴ひもって毎回ちゃんと締めたり、緩めたりしてますか? 筆者は面倒でそのまま、なんてことも多いです。靴にも足にも良くないってわかってますが……。
また、障害を持った方、お年寄りや子どもが「アダプティブ・レーシング」を使うと便利だと思います。そのためには価格が重要です。ハイパーアダプト 1.0は税込8万1000円ですが、「アダプティブ・レーシング」が普及すれば価格は下がるでしょう。
ナイキのデザイナーのティンカー・フィールドはこんな未来を描いているようです。
「この先、たとえばシューズがシューレース(靴ひも)をきつくするべきか、緩めるべきかを感じ取ってくれたらすごいことではないでしょうか。足を素早く動かすために、よりぴったりとしたフィットが必要だとシューズが感じ取った場合は、自分では普段締めないぐらいぴったりとしめることもできるのではないか。今はこうしたことを考えています。将来的に実現されることでしょう」と夢を語ります。
今まで靴ひもは自分で締めるものでした。それが自動になり、センサーと組み合わさったり、スマホと連携したりすることで最適なフィット感を実現するスニーカーに進化していくことも可能です。「アダプティブ・レーシング」はシューズを進化させる起爆剤になるかもしれませんね。
「THE FUTURE BOX E-A-R-L by NIKE」
住所:東京都渋谷区神宮前 6-2-9
営業:AM11:00〜PM8:00
期間:9月16日(土)〜22日(金)
取材・文/中馬幹弘
※記事内のデータ等については取材時のものです。