◎スマホの姿勢が垂直に維持できるところに入れれば、より正確に測定できる
上で紹介した条件で測定した結果が以下の表である。参考として、市販のいわゆる歩数計を使って「1000歩」に対してどのくらい誤差が出るかも測定した。
■スマホを入れた場所別の測定結果
赤字は測定結果の精度が高かった結果で、青字は低かった結果。
■万歩計の測定結果
万歩計はズボンのベルト位置に装着して使う一般的なもので、数値は実際の歩数に比べて2%程度多めに記録された。
iPhoneでもAndroidでも(1)Yシャツの胸ポケットに入れたときと(3)ズボンの後ろポケットに入れたときが精度高く測定できた。万歩計を装着して測定した結果と見比べてみても、万歩計の誤差の平均が16なので、それよりも精度が高いことが分かる。(1)と(3)は、スマホの姿勢が常に垂直に維持できていた。
一方、垂直に維持できなかった入れ方の結果は誤差が大きい。Androidでは手に持ったときの値の誤差が大きく、iPhoneではバッグのポケットに入れたときに一番誤差があった。動きが複雑すぎて、加速度センサーで検出した動きをアプリで計算するときに、ノイズなのか歩いたときの動きなのかが判断しづらいことが誤差の原因だろう。
したがって、スマホで歩数を測るときはスマホが垂直になる状態を維持すれば、正確な測定ができるといえる。
ウェアラブルなどIoTデバイスを使わずとも、スマホを入れる場所に気を付ければ万歩計以上の精度で歩数を計測できることが分かった。スマホを使った健康活動を始めるときのキーワードは「スマホを垂直に」である。
文/久我吉史
※記事内のデータ等については取材時のものです。