韓国には不思議なクレジットカード会社がある。新しいフォントを開発し、毎年話題を呼ぶコンサートを主催しているクレジットカード会社、Hyundai Cardのことだ。クレジットカード業界にひと足遅れて参入したHyundai Cardは、当時、クレジットカードにデザインという概念を取り入れ、一大センセーションを巻き起こした。15年が過ぎた今でもHyundai Cardは、韓国のクレジットカード業界のトレンドを引っ張っている。
韓国ソウルの金融街である汝矣島(ヨイド)にあるHyundai Cardの本社を訪ねてみた。本社のすぐ隣にある「Hyundai Cardファクトリー」。何がこの会社を「イノベーションの象徴」として成功させたのか、その疑問に答えてくれる場所だった。海外広報チームのB課長に本社やファクトリーを案内してもらい、この会社のイノベーションストーリーについて聞いてみた。
劉:クレジットカードの工場が本社に隣接しているって意外ですね。ここでカードが作られているのですか?
現代(Hyundai Card=現代。以下、現):カード工場と言っても、実はここで一から作るわけではありません。カード自体はある程度出来上がっていて、ここではデザインの仕上げと顧客情報の入力、パッケージ構成などが行われています。
Hyundai Card本社と隣接している、Hyundai Cardファクトリー