■6時間38分かけて帰京
臨時〈のぞみ236号〉東京行きは京都、名古屋に停まり、席が埋まってゆく。東京―大阪間は〈のぞみ〉利用が一般的と言えよう。
ただ、〈のぞみ〉に乗っていると、いつもピーンと張りつめた空気を感じる。特に2015年6月30日の車内放火事件発生以降は、車掌の車内巡回が増え、警戒警備をさらに強化した模様だ。防犯のためとはいえ、落ち着かない乗客も多いと思う。
N700系乗継による最速新幹線の旅が終わった。見慣れた街は、人々に安心感を与える。
18時03分、終点東京に到着。鹿児島中央から6時間38分かけて帰京した。ちなみに、東京で19時20分発の東北・北海道新幹線〈はやぶさ33号〉新函館北斗行きに乗り換えると、当日中に北海道入りできる。九州から北海道まで当日中に行けるのだから、ある意味、「航空機に追いついた」と言える。
東京・大阪―九州間は、航空機が有利な状況に変わりない。最速新幹線乗り継ぎでも“スローライフ”となってしまうが、それを逆手に取った“時間を気にしない旅”は、新幹線の隠れた魅力なのかもしれない。
取材・文/岸田法眼