■連載/メンズビューティー通信
日本人なら「和ハーブ」でデトックス? その効能とは【前編】
体のことを思ったら、料理に使わない手はない「ハーブ」。そのもの自体の薬効や、塩分を控えめにできる香りの良さなど、うれしい作用が多い食材だ。西洋で言えばローズマリーやバジル、近ごろ大人気のパクチーなどもハーブの一種。ただ、特にパクチーなどに対して「いまいち香りが苦手なんだよね……」という男性陣は意外と多い。
いくら肌に良いなんて言われても、苦手なものは苦手なのだ。しかし、そんな人にこそおすすめしたいのが、今回紹介する「和ハーブ」なのである。
古来、日本に伝わる「和ハーブ」とは
ハーブの語源はラテン語の「herba」。香りや薬効が強い茎や葉のことを指すという。そのほかの部分、たとえば種や根っこ、花などは「スパイス」と呼ばれている。いわばそうした薬草の日本版が「和ハーブ」というわけだ。2009年に設立された和ハーブ協会では、和ハーブを「江戸時代以前から日本人が広く暮らしに有用した植物」と定義づけている。
「身土不二(しんどふじ)」「三里四方」という言葉をご存知だろうか。これらは、生まれ育った土地や先祖代々住んでいる土地の食べ物が、人の心身に最もなじみ、健康をもたらすという考え方。これは医学的な見地からも合理性があると言われている。日光の強さに対抗して体の中に抗酸化成分ができることなど、人は暮らしている環境に少なからず影響を受けているからだ。
そういった意味でも、日本の土地で育ってきた植物「和ハーブ」が日本人の心身になじむ食材であるというのはうなずける。なにより、これはあくまでも筆者の個人的な感想だが、実感として和ハーブを効かせた料理は旨い。
日本人ならきっとどこか懐かしさを感じる味わいや、親しみのある香りを持っているからではないだろうか。
具体的に和ハーブの例を挙げれば納得していただけるだろう。たとえば、ワサビやシソ、サンショウなども和ハーブの一種とされている。「え? それが和ハーブ?」と拍子抜けされそうだが、もちろんその他にもたくさんあり、耳慣れないものも多い。
しかし、ワサビやシソが日本の美食に欠かせない存在であることを否定する日本人はいないはずだ。その上体に良い効果・効能まであるというのだから、ぜひとも積極的に使っていきたい。
和ハーブ協会監修! 「和ハーブ」の効果・効能
古くから日本人の食卓を豊かにしてきた和ハーブ。その特徴や効能について、ここでいくつか紹介しよう。
■シソ、エゴマ(シソ科シソ属)
効果・効能:自律神経調整、便秘改善
「和のバジル」とも言われ、その香りと使い勝手の良さでは和ハーブの代表的存在。それでいて、滋養効果も抜群。葉だけではなく、花穂はサラダやパスタなどに、種子はスパイスとして使われる。また種子からとれるオイルには美容成分オメガ3も豊富と、すべての部位が有用。また最近の研究では、シソとエゴマはDNAが同一(同種)であるということもわかっている。
■セリ(セリ科セリ属)、ミツバ(セリ科ミツバ属)
効果・効能:老化防止、美肌作用
スーパーなどでも購入しやすい両者。元来、日本の代表的な野生種。セリの名前の由来は「競り」合うように生えることなのだとか。春に田んぼに出る「タゼリ」と呼ばれる時期のものが、味も香りも濃厚。セリ科植物の根には滋味と薬効があり、東南アジアなどでは出汁やペーストに、日本では新潟などでよく料理に使われてきた。