■実際に触って確かめる
繊維機械館でのガイドは単なる見学にとどまらない。機械を実際に見て、動かし、重要な部品はとくに詳しく説明する。糸を紡ぐなどの行程では、どれだけ強度が増すか、実際に手で触れ確認することも可能だ。見るだけでは分からない、実体験を伴う見学の数々に、ただただ感心するばかりだった。
織機の変遷の歴史も実に興味深く、縦糸と横糸の関係。糸が切れた場合の自動停止の仕組みなど「ここが見るべきポイントです」と示しながら実演してくれる。ガイドさんだけでなく、各機械には専属の説明員の方もいるので、より技術的な解説も加わる。
正直言うと、繊維機械への興味はあまり持っていなかったのに、あまりの面白さにどんどん引き込まれていた。それは他の参加者も同様で、当初は「すみませんね、途中から入ってきちゃって……」と遠慮がちだったのが、ツアーが進むにつれ笑顔がこぼれ、積極的になっていた。