小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

80年代、250cc4気筒のレーサーレプリカに皆が熱狂した理由

2017.11.15

■4ストロークエンジンで対抗するためには4気筒にするしかない

 初代『RZ250』に対してホンダは『VT250』という4ストロークV型エンジンで応戦したが、その後の『RG250ガンマ』など2ストローク250ccエンジンのレーサーレプリカには歯が立たなかった。

 4ストロークエンジンで対抗するためには、単純に2倍エンジンを回す必要がある。そのためには、倍の4気筒が必要だ……当時のバイクメーカーは技術の進歩に一途だったのだ。そして、市販車で世界初の水冷250cc4気筒エンジンを搭載したバイクが1983年にデビューした。それがスズキの『GS250FW』だ。

なぜ'80年代に250cc4気筒レーサーレプリカが生まれ、みな熱狂したのか?

 並列4気筒249ccDOHCエンジンは、毎分1万1000回転で36ps(後のマイナーチェンジで38psに向上)を発揮した。しかし、大柄なボディは乾燥重量で157kgと重く、俊敏とまではいかなかった。やや高めに設定された車両価格もあって、販売は芳しいとはいえなかったが、250ccツアラーとしての貫禄は十分だった。

 2ストローク250ccエンジンに正面から対抗できるエンジンにするため、立ち上がったのはヤマハだった。『GS250FW』が1気筒あたり2バルブだったのに対して、こちらは4バルブにし、毎分1万4500回転で最大出力45psを発揮。そのまま1万7000まで回ったという。45°の角度に前傾させ「GENESIS(ジェネシス)」と名付けられたエンジンを積んだのが、1985年に登場した『FZ250 PHAZER(フェザー)』だ。

なぜ'80年代に250cc4気筒レーサーレプリカが生まれ、みな熱狂したのか?

 発売開始当時中学生だった筆者も、絶対これを買うんだ! と思っていた。角張ってはいるが、ヤマハらしくどこかスマートなデザインもお気に入りだった。しかし時代はレーサーレプリカを求めていた。エンジンはますます高回転に、ボディはますますレーシーになっていったのが、1980年代後半の大きな流れであった。

 翌1986年にホンダは『CBR250FOUR(フォア)』をリリースした。

なぜ'80年代に250cc4気筒レーサーレプリカが生まれ、みな熱狂したのか?

 こちらは「カムギアトレーン」と呼ばれる機構を採用。『FZ250 PHAZER』と同じく45psを1万4500rpmで実現した。

 もうお気付きかと思うが、45psが250ccエンジンの“自主規制上限”となったのだ。もはやこれ以降は45psまでしか出せないのである。これが今思えば、バイクの性能向上という夢を奪い、小排気量バイクの人気が低迷していく原因だったと思うのだが、もちろん当時はそんなことは考えなかった。とにかくレーシーであること。それが全てだった。

『FZ250 PHAZER』も『CBR250FOUR』も、2ストロークエンジンのレーサーレプリカを倒す、「2ストキラー」になるには少々、見た目が穏やかだった。1987年に世に出た『CBR250R』でも、パンチが弱かった。

なぜ'80年代に250cc4気筒レーサーレプリカが生まれ、みな熱狂したのか?

 「2ストキラー」の本命は、1986年に登場した「FZR250」だったのだ。

なぜ'80年代に250cc4気筒レーサーレプリカが生まれ、みな熱狂したのか?

……『’80年代〜’90年代にアツかった250cc4気筒レーサーレプリカバイクは今が買い!』編へ続く

文/中馬幹弘(ちゅうま みきひろ)

慶應義塾大学卒業後、アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。

※記事内のデータ等については取材時のものです。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。