■Introduction
そろそろ人肌が恋しい季節。暖房器具なみに暖かく、心も癒される真空管アンプの季節だが、みなさんいかがお過ごしかな? 普段はなかなか試聴できない真空管アンプが一堂に会する「真空管オーディオ・フェア」が10月8日、9日に開催された。最近、気になる直熱三極管300Bシングルアンプを中心に取材を敢行した。
■Amplifier
48社が出展する「真空管オーディオ・フェア」は秋葉原損保会館と第2会場のホテルステイズ御茶ノ水の2個所で行われた。別会場は道路を隔てたビルで容易に往復できる距離である。出展しているのは真空管アンプメーカーばかりでなく、スピーカーメーカー、トランス、抵抗などのパーツメーカーまで参加している。さらに会場内は物販もおこなわているため、特価品を求めて大勢の人で賑わっていた。この辺りはヘッドフォン祭と変わらない雰囲気だ。ちなみに入場料は2日間有効で500円。
もちろん主役は真空管アンプメーカーである。なかでも最も広いブースで展示と実演をおこなっていたのが「ザ・キット屋」を展開するサンバレーである。以前から気になるキットメーカーだったがショールームが愛知県刈谷市にあるためカンタンには試聴できなかった。それがフェアに行くだけで、全てのモデルに触れ、多くのモデルの音が聴けるのだ。本サイトでも紹介予定のエレキットの『TU-8600』も真空管レスと真空管付きで販売している。このキットは数量限定なので欲しい人は急がないと、ほぼメーカー在庫切れ状態であるという。さらに製作記事掲載予定の『SV-S1616D/300B仕様キット』も展示されていた。次回はぜひ大橋慎氏の講演も聞きたいのだ。
『SV-S1628Dキット』13万9320円(税込)。845または211を使うシングルパワーアンプで、845を使った場合は出力16W+16Wが取り出せるというシングルの中では大出力アンプ。キットは全て真空管レスの価格を表示。
『SV-P1616D/300B仕様キット』10万2600円(税込)。300Bを使ったプッシュプルアンプ。18W+18Wの出力が取り出せる。実用出力では純A級動作。難易度の高い部分は基板化され作りやすくなっているキットである。