
【天才HIPHOPダンサー・MiYUさんにみるスーパー中学生の育て方】
公式戦最多連勝記録を30年ぶりに塗り替えた将棋の藤井聡太四段(14)、世界選手権で史上最年少ベスト8を達成した卓球の張本智和選手(14)など今、中学生が大活躍している。今回は、様々な分野のスーパー中学生を探し出し、本人と親のインタビューから、彼らのすごさの理由、どうしたら優秀な子が育つのかを探ってみたい。好きなことに夢中になる情熱や柔らかな発想は、子育て真っ只中の親にはもちろん、仕事に追われるビジネスパーソンにも実は一番必要なものかも? シンプルで強い子供たちからのメッセージ、染みます。
取り入れたいこと——
「目標は高く、広く学ぶ。〝大きくつかむ〟習慣を 」
◎世界が最も近くにある14歳のカリスマダンサー
「ドン」というブレークを合図に、彼女は肩を沈ませる。小さな体がしなやかに躍動し始めた――。
難波の商業施設『OCAT』のポンテ広場。大阪のストリートダンスの聖地であるここやレンタルスタジオで、MiYUさんはほぼ毎日練習に明け暮れる。
まだ中学2年生。しかしキレと艶を持つ彼女はヒップホップダンサーとして日本はおろか、世界でも知られつつある存在だ。何せ日本で最大のダンスバトル大会「DANCE@LIVE」で2年連続ファイナル進出。「JUSTE DEBOUT」という世界大会では、大人も交じる中、日本代表予選で2年連続ベスト8入りする、スターなのだ。
「まだまだです。ただ世界中からかっこいいダンスを踊る子と覚えられたい。それが夢……目標です」
ダンスとの出会いは3歳の時。先に習っていた姉の影響でジャズダンスを始めた。そして、8歳でヒップホップへ転向した。
「KYOKAちゃんというダンサーのステージを見たのがきっかけ。うまいうえにカッコいいダンスをする人で。すぐ弟子入りしました」
すごいのはその3か月後にはもう大会で優勝したこと。以来、常勝の快進撃が続いているわけだ。
特に評価が高いのは音が聞こえるようなダンスの表現力だという。「DANCE@LIVE」主催者のカリスマ、カンタロー氏も言う。
「体も小さくハデさもないけど、音のとらえ方がうまい。踊りから音が見えるよう」(カンタロー氏)
才能を支えているのは、彼女のポリシーにありそうだ。
「『小さくまとまるな。大きくつかめ』というのを意識してます。やたら熱いパパの口癖で(笑)」
NYのダンサーと踊って本物に会うことって大事だなって。
天才HIPHOPダンサー
MiYUさん[中学2年生]
2004年大阪府生まれ。3歳でジャズダンスを始め、8歳からヒップホップに。1つ下のTENKAとともにチームLil’Kを結成。その年から大会に参加し、立て続けに優勝。国内外の大会に参加し、結果を残す。「DANCE@LIVE」 2017 KIDS KANSAI vol.1 優勝、SDS-GRAND CHAMPIONSHIP 2016- KIDS FREE STYLE -1on1- Dance Battle 優勝。