最近よく耳にする「若者のフルーツ離れ」だが、確かにData1をみると、40代以下のフルーツ摂取量は散々たるもの。10年前のデータと比較してみても、果物の摂取量が増えているのは「70歳以上」のみで、ほかの世代はすべて減少している(Data2)。つまり〝若者〟だけではなく、70歳以下はまんべんなくフルーツ離れをしているのが実情だ。
だが興味深いデータもある。果物の種類別に過去5年間の支出金額をさかのぼってみると、17品目中11品目がここ5年で支出額が上昇。特に「キウイフルーツ」が飛躍的に増えているのだ(Data3)。いったい、なぜキウイがこんなに好調なのか? 関係者に話を聞いてみると、「一番の要因はやはり栄養価の高さ。さらに値段も安く一年中手に入り、種がないので気軽に食べられるのも人気の要素だと思います。また輸入品の品種改良も盛んで、最近は甘味が強い果物を好む日本人向けの『サンゴールド』が注目されています」(日本キウイフルーツ協会)
品種改良といえば、128%増の「ブドウ」でも、種がなく皮ごと食べられる「シャインマスカット」などが登場。さらに缶詰や瓶詰、ドライフルーツなど「果物加工品」の支出額が148%と大幅アップしている点からも、手間なく食べやすい果物、もしくは加工された果物なら、ニーズはあるのだ。果物離れ解消のカギは、ニーズに合った品種改良にありそう。生産者の皆さんの奮起に期待したい。
【 Data1 】20代から40代は半数以上が果物の1日の摂取量ゼロ!
果物摂取量の年代別平均値をみると、49歳まではほぼ大差ないのに、50歳になるとやや上昇! 人は年齢を重ねると、自然と果物を欲するようになるのだろうか。
■年代別にみた果実類(ジャム除く)摂取量
※1人1日当たり。厚生労働省「2015年国民健康・栄養調査」から