◆山本竜基「山本空間に突入するドラえもんたち」
(キャンバス、アクリル)
山下教授「山本さん自身の頭がたくさん描かれた“山本空間”に突入するドラえもん。以前の山本さんはもっと坊主頭に近く、彼の頭がたくさんある中へドラえもんが突入していく。最初の画像を見たときはもっとフラットかなと思っていたが、できあがった作品を見るとずいぶんと凹凸がある出来栄えになっている」
山本さん「映画『のび太の恐竜』がモチーフ。タイムマシンが故障して白亜紀のアメリカに突っ込んでいくという話だが、逆に僕の世界に来て欲しいなと思って、脳みそにがーっとドラえもんたちが入ってくる感じを出したかった。そこで止めておき、この後にどんな展開があるのかワクワクさせるような絵にしたかった」
【AJの読み】身近なドラえもんが現代アーティストの手で別次元に変換された世界
誰もが知っているドラえもんがアーティストの手により変換されると、ここまで深く面白い世界が展開されることを実体験できる。紹介した以外にも増田セバスチャンのカワイイ要素で構成された巨大な立体「さいごのウエポン」(下記画像左)や、バイオテクノロジーで進化した猫と人間が融合したような、小谷元彦「救世銅鑼エ門」(同右)、しりあがり寿の映像作品「万事解決!劣化防止スプレーの巻」などなど、さまざまな表現を用いたドラえもんの世界を堪能できる。ぜひともゆっくり時間をかけて鑑賞してほしい。
展示会会場には公式図録や300以上のオリジナルグッズを販売する特設ショップや、会場に隣接するカフェ「THE SUN」では同展とのコラボメニューも展開。期間限定メニューもあるので詳細はサイトでチェックを。
文/阿部 純子
■連載/阿部純子のトレンド探検隊