■目的別に乳酸菌をヨーグルト関連商品で選んでみよう
いま、現代人は欧米化した食生活、抗生物質の服用、食事制限による極端なダイエットや暴飲暴食など、腸内環境のバランスが崩れやすい機会が多いという。実際、何らかの体調不良を感じている場合、乳酸菌をヨーグルトから摂り入れるという方法もある。
後藤医師によると、乳酸菌の種類を目的別に選ぶと効率的だそうだ。
「何らかの不調を感じているのであれば、乳酸菌を含む食品のうち、手軽に摂ることのできるヨーグルトで腸内環境を改善することも試してみるといいでしょう。先にご説明した乳酸菌の基本的な働きは、どのヨーグルトの乳酸菌にも期待できますが、その種類によって得意分野が異なります。含まれている乳酸菌の種類によって、ヨーグルト関連の商品を目的別に選び分けてみるのもいいでしょう。2週間ほど食べ続けると腸内環境が変わってきます」
そこで、改善したい目的別に、乳酸菌やビフィズス菌を含む市販の商品の中でポピュラーなものをピックアップしてもらった。
●便通改善
・ビフィズス菌BE80株「ダノンビオ」(ダノンジャパン)
・LB81乳酸菌【ブルガリア菌2038株+サーモフィラス菌1131株】「明治ブルガリアヨーグルト」(明治)
・ビフィズス菌BB536株「森永ビヒダスヨーグルトシリーズ」(森永乳業)
・乳酸菌シロタ株「ヤクルト」(ヤクルト)
●血糖値の上昇抑制
・クレモリス菌FC株「カスピ海ヨーグルト」(フジッコ)
●免疫力向上
・R-1乳酸菌「明治プロビオヨーグルトR-1」(明治)
・乳酸菌シロタ株「ヤクルト」(ヤクルト)
・ラクトフェリン(乳清)「ラクトフェリンヨーグルト」(森永乳業)
●リラックス・ストレスの緩和
・プレミアガセリ菌CP2305「届く強さの乳酸菌 プレミアガセリ菌CP2305配合」(カルピス)
・ビフィズス菌BE80株「ダノンビオ」(ダノンジャパン)
●内臓脂肪の蓄積抑制
・ガセリ菌SP株(SBT2055株)「ナチュレ恵」(雪印メグミルク)
・LGG乳酸菌「おなかへGG!」(タカナシ乳業)
●アレルギー症状の抑制・緩和
・L-92乳酸菌「アレルケア」(カルピス)
・LGG乳酸菌「おなかへGG!」(タカナシ乳業)
・L-55乳酸菌「たっぷり生乳ヨーグルト」(オハヨー乳業)
●歯周病・虫歯・口臭の予防、改善
・乳酸菌LS1「デントオーラルヘルスタブレット」(ライオン)/「乳酸菌LS1」(湖池屋)
「2週間続けるといいとお伝えしましたが、乳酸菌の効果が実感され始める時期は、個人差や体質などによって異なります。また、改善したい症状によっても異なります。
便秘や歯周病・口臭については2週間ほどで効果が現れはじめ、肥満やストレスなどは3週間ほど、アレルギーや免疫力アップなどは一ヶ月を過ぎた頃から少しずつ効果が現れはじめるというのが目安です」
ヨーグルトなどの商品を選ぶ際には、こうした目的を意識して乳酸菌の種類からのアプローチもできそうだ。まずは一つ、食べ続けてみるといいだろう。
取材協力
後藤利夫先生
新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学部卒業。「大腸がん撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡5万件以上無事故のベテラン医師。その普及に全国を飛び回っている。大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。著作に『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)、『その便秘こそ大腸ガンの黄信号』(祥伝社)、『腸イキイキ健康法』(主婦と生活社)、『腸をきれいにする特効法101』(主婦と生活社)、『水浸法による無痛大腸内視鏡挿入マニュアル』(中外医学社)など多数。
http://www.ascom-inc.jp/books/detail/978-4-7762-0959-1.html
後藤利夫著『乳酸菌がすべてを解決する』(アスコム)
取材・文/石原亜香利