01. ペン先ではなく軸側を持つ
「万年筆は、ボールペンなどのほかの筆記用具と違って、それほど筆圧を必要としません。疲れないんですね。力を入れたい時は、おそらくペン先に近いほうを持つと思うのですが、万年筆でしたら、軸側を軽く持つだけで、サラサラッと書くことができます。『これが万年筆の流儀だ!』という決まりがあるわけではありませんが、私は万年筆の軸側をやさしく持つようにしていますね」
02. ペン先の位置は常に上向きにする
「万年筆を使う方が、間違うことはおそらくないと思いますが、万年筆のペン先は常に上向きにして使用します。逆向きで使用しないようにしてください。万年筆のペン先はとてもデリケートなのです。万年筆を選ぶ際も、ペン先は重要です。ペン先は素材によっても感触が違いますし、ペンによっても硬さがそれぞれ違います。試し書きしながら自分の好きな書き味を見つけてください」
03. ボールペンの時より力を抜いて書く
「写真は、力を全く入れず、万年筆を動かしているところです。このように、ペン先が紙に触れているだけで書くことができるんですね。軽く素早く書ける、というのは、万年筆の最大の特徴で、私の場合で言いますと、思考の回転速度についてきてくれるんです。かつての文豪たちが、こぞって万年筆を使っていた理由がよくわかります。私も、草稿は必ず万年筆で書くようにしています」
04. お手入れは水洗いだけで意外に簡単
「万年筆のお手入れは、難しそうに見えますが、それほど手がかかりません。一番のお手入れ方法は、実は“使い続けること”だったりします(笑)。使わないでいると、ペン先のインクが固まってしまうことがありますが、これも、水洗いをすればまず大丈夫です。インクが落ちにくい時は、紙コップの中にぬるま湯を入れ、そこにしばらく浸しておけば、きれいになります」
文/編集部
※記事内のデータ等については取材時のものです。