この調査は、同じくメイヨー・クリニックが2015年に発表した別の調査結果がきっかけになっているようだ。その時には、寝室にペットがいる場合は人の睡眠環境に影響を与えうるとし、アリゾナのメイヨー・クリニックの睡眠医学センターにて150人を対象にアンケート調査やインタビュー調査が行われた。
その結果では、49%の人がペットを飼っており、そのうちの56%はペットを寝室に入れていると回答。さらに、飼い主の20%がペットの存在によって睡眠が妨害されていると答えている一方、41%は気にならない、またはペットの存在が自分の睡眠にとって有益であると答えている。
この結果を踏まえ、睡眠に関連する問題をもっている患者には、ペットを飼育しているかどうかも尋ねたほうがよいとしている(*2)。
そして、今回の調査では、対象が40組と少なめではあるものの、データ的な分析から寝室に犬がいる場合は睡眠によい効果を与える可能性が示唆されたわけで、「以前は寝室に犬がいると人の睡眠を妨害しうると言われていたが、そうではないかもしれない。少なくとも、寝室に犬を入れることの理由にはなるだろう」と研究者らは述べている。
もっとも、まだ世話に手間がかかり、いろいろやらかしてくれる子犬の場合は当てはまらないだろうが。
睡眠に悩みを抱える人は、一度寝室に犬を入れて寝てみるというのもいいかもしれない。
参考資料:
(*1)The Effect of Dogs on Human Sleep in the Home Sleep Environment / Salma I. Patel et al. / MAYO CLINIC PROCEEDINGS, September 2017, Volume 92, Issue 9, Pages 1368–1372, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.mayocp.2017.06.014
(*2)Are Pets in the Bedrooms a Problem? / Lois E. Krahn et al. / MAYO CLINIC PROCEEDINGS, December 2015, olume 90, Issue 12, Pages 1663–1665, DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.mayocp.2015.08.012
(*3)What better sleep? Keep your pet in your bedroom, study says / AJC. com
文/犬塚 凛
構成/ペットゥモロー編集部