■漁場が近く、24時間以内に水揚げする
カツオ漁を行う船には2つのタイプがある。ひとつは毎年2月頃久礼の港を出航し、鹿児島、勝浦、気仙沼などを基地にしながら1航海1週間ほどの漁を繰り返す近海カツオ一本釣り船。水揚げはそれぞれの港で行っている。
もうひとつは近くの漁場(土佐沖=カツオの好漁場)で日の出から漁を行う一本釣り船。こちらは出航から24時間以内に港に戻り水揚げを行う。中土佐町久礼の港に揚がるカツオはこの船からのもので、早朝から昼くらいにセリが行われると、近隣のお店から食卓に直行する。つまり鮮度が抜群にいいわけだ。
高知県内に流通しているものは、後者のいわゆる地物。久礼なら「久礼あがり」と呼ばれ、全国の流通量から見れば数が少ないため、県外に出ることはほとんどない。つまり、県外の人が高知に来て、ようやく口にできるものなのだ。