■連載/ペットゥモロー通信
「三つ子の魂百まで」という諺があるが、人や動物でも、幼少期の環境や経験が、その後の成長にどんな影響を与えるか?をテーマにした研究は行われている。
たとえば、ビーグルの8組の親子を観察した研究では、母犬による子犬のケア(体を舐める、排泄を促すために生殖器を舐める、子犬に接触するなど)の密度が高く、その期間が長いほど、子犬の探査行動、およびキャンキャンいう鳴き声を初めて発するタイミングに関連し、ストレス反応行動を減少させるとしている。
反対に、その密度が低く、期間も短いほど体の動きが増し、悲痛な鳴き声や破壊行動と関連すると。
この研究にあたっては、生後3週間の観察をした後、生後58日~60日で子犬の行動テストを行っているのだが、こうした母犬のケア行動が、生後8週齢の子犬の行動に影響を及ぼすという内容である(*1)。
一方、最近の研究には、将来、盲導犬のトレーニングが予定されている子犬とその母犬について、母犬のケア行動がどう子犬に影響し、また、盲導犬としての適不適に影響するかを観察したものがあった。
そのために、研究者らは98頭の子犬の誕生から成犬期までを追跡調査。その結果はとてもユニークなものとなっている。