■涙の量、涙の質が大切
涙は水層と油層で構成され、水層の中にムチンとよばれるたんぱく質が混じっている。油を出すマイボーム線の出口がつまると、涙の油が不足して涙の水分が蒸発しやすくなり、ムチンが不足しても、蒸発しやすくなる。そして、こうした涙の質の異常や、涙の水分量の不足は、ドライアイを招く。
■目の乾燥を増長させる、3つのコン(エアコン・パソコン・コンタクトレンズ)
高温多湿である日本において、エアコンのない時代は適度な外気の湿度が目を乾燥から守ってくれていたが、エアコンの普及で室内の乾燥が進んだ。また、パソコンの使用によって、モニター画面を見ている時間が長くなり、瞬きが減ることで、目の乾燥が助長され、目の疲労感にお悩みの方も増えてきた。また、コンタクトレンズを装用していると、涙の層に変化が起こり、瞬きの摩擦が増えて、ドライアイ症状が生じる。近年では、このような影響から、生活習慣や生活環境に関連したドライアイの患者が増えているという。
■ドライアイを悪化させる新たな要因、結膜上皮障害について
結膜の一部、Lidwiper(眼瞼結膜の皮膚側に近い部分)が、角膜や乾いたコンタクトとの瞬きの際の過剰な摩擦によって荒れてしまう障害はLid-wiper epitheliopathy(結膜上皮障害)と呼ばれている。コンタクトとの摩擦の場合、この摩擦を軽減させる対策としては、表面が親水化された潤滑性の高いコンタクトレンズ、人工涙液、ムチンなどの産生効果が期待できる処方点眼薬が利用できる。
■目の乾燥を感じやすい人のコンタクトレンズの選び方
ドライアイの症状には、主に目の乾燥感と瞬きで擦れる摩擦の症状があるが、コンタクトレンズ装用の場合は、レンズの周辺部が結膜を擦ったり、瞬きの際にまぶたの裏の結膜が擦れて生じる場合が多いと考えられる。含水率が高いコンタクトは、酸素をよく通し、柔軟で、装用感はより快適と考えられるが、ドライアイになると、レンズが酸素を通しにくくなり、かつ、レンズの中の水分が蒸発しやすくなるため、角膜に障害が生じたり、ドライアイ症状が強くなりやすくなる。
そこで、素材そのものが酸素を通しやすく、含水率の低いシリコーンハイドロゲル素材の製品が症状の軽減におすすめ。さらに最近では、レンズ表面の摩擦軽減を考慮した製品も開発されているという。レンズ表面の潤滑性の高いコンタクトレンズを使用することで、乾燥の軽減が期待できそうだ。最後に、間違ったコンタクトレンズを選択すると、ドライアイの症状が強くなることもあるので、必ず眼科医による検査を受けることをおすすめする。
◎調査概要
調査名称 :「ドライアイ」に関する意識調査
調査エリア :全国
対象者数 :300名(男性150名/女性150名)
調査条件 :使い捨てソフトコンタクトレンズ装用者
20歳〜59歳の男女
仕事でオフィス内で過ごすことが多いオフィスワーカー
1日平均4時間以上、パソコンを使用する人
調査期間 :2015年5月23日〜24日
調査方法 :インターネット調査