■玄米には解毒作用もあった!
酵素玄米は、もちろん玄米本来の栄養価も持ち合わせている。武部さんによれば、玄米の栄養価も非常に優れているという。
「酵素玄米も玄米ですから、栄養素もそのまま残っています。ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含んでおり、人間が健康を保つために必要とされる栄養素をほとんど摂取できるため、“完全栄養食”と表現する方もおられます。
玄米というと、“フィチン酸”という物質の強力な解毒作用によって、体内の有用なミネラルまでも排出してしまうのではないかといわれていましたが、近年、新しい研究データが発表されました。メリーランド大学のシャムスディン教授らの実験で、フィチン酸が血液中のミネラルの濃度に影響を与えなかったことが、科学的に立証されたのです。
つまり、玄米は、フィチン酸の強力な解毒作用により、私たちの身体の有害な重金属と結合して排出してくれる働きが期待できるというわけです。日々、さまざまな有害物質を取り込んでいる現代の私たちには、積極的に摂りたい栄養素かもしれません」
■酵素玄米と玄米の違いとは?
また、武部さんによれば、酵素玄米がこれほど広まっているのには、美容・健康効果だけでなく、その食感や味わいにも理由があるのではないかという。
「玄米はパサパサして、かたく食べにくい印象がありますが、3日間寝かせた玄米はもちもちとした食感に変わり、うま味が増します。酵素玄米は、玄米そのものよりも栄養価が高まり、消化もしやすく、吸収されやすいため、玄米が苦手という方にも、ぜひチャレンジしてほしいと思います。
ただ、『酵素玄米っていいんだ!』と盲信し、これだけを食べるというのは間違いです。あくまでもバランスが大切です。普段の食生活の中で、バランスを見ながら、玄米や酵素玄米を上手に取り入れてみてください」
酵素玄米は、確かに健康には良いというが、ただそればかりを食べることなく、健康・美容・美味しさという良いところを享受しながら、バランス良く食生活に取り入れてみよう。
■取材協力
腸美人食アドバイザー 武部佳子さん
http://ameblo.jp/yoshiko-takebe
取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。