【OTHER CHOICE】
ステーションワゴンの開発に積極的な欧州メーカーと対照的な日本メーカー
ステーションワゴンの魅力は、全長が長く、広い荷室を持ちながら、セダンと同じ低重心での走行性能の高さを味わえるところにある。これはミニバンやSUVにはないポイントだ。だからこそ走行性能を重視する欧州のユーザーは、SUVがブームになっても依然としてステーションワゴンを選択する人が多い。ここが日本や北米のユーザーとの違いでもある。
このような背景もあって、欧州のメーカーは次々と様々なカテゴリーのステーションワゴンを投入する。実際に使い勝手のよさに関していうと、後席の居住性はセダンよりむしろ開放感があって、居心地はいい。
日本でもステーションワゴンのファンは多いが、最近は肝心のクルマがないのが実情だ。国産車のLサイズワゴンは、マツダ『アテンザ』か、逆輸入モデルのトヨタ『アヴェンシス』ぐらいしか思い浮かばない。レクサスが『GS』や『IS』をベースにしたワゴンを造るのではという噂もあったが、なかなか登場しない。この状況を見る限り、ステーションワゴン市場は、しばらく欧州車が牽引しそうだ。
◎メルセデス・ベンツ『Eクラス ステーションワゴン』712万円~
◎アウディ『A6アバント』666万円~
◎フォルクスワーゲン『パサート ヴァリアント』349万9000円~
文/石川真禧照
※記事内のデータ等については取材時のものです。