子育てもひと段落した40代後半から50代の男性が新たにはじめる趣味として注目されているのがバイク。その年齢になってはじめてバイクに乗る人もいるが、なかでも多いのが若いころに乗っていて、再び乗り始めた「リターンライダー」である。
多くのリターンライダーは経済的余裕もあるし、所有欲も満たしてくれるビッグバイクを好む傾向にあるが、じつは250ccこそ、おすすめしたいクラスなのだ! ここでは、その魅力を紹介していきたい。
■扱いやすくて、維持費も安い! 250ccは気負わず、長く乗れる
最近まで250ccクラスといえば、非力で小柄、装備も上位クラスに比べるとシンプルで、所有欲も走行性能も劣る……なんていうイメージで見られていた。しかし、じつはいま、その250ccクラスの人気がグングンと急上昇しているのだ。
その理由はいくつか考えられるが、まず「魅力的なモデルが増えた」ということ。昨年あたりから250ccクラスは空前のニューモデルラッシュで、さまざまなモデルがリリースされ、さらにジャンルも増えた。つい数年前までビッグスクーターとストリートモデルだけだったラインナップが嘘のような豪華さ。新車購入時の選択肢が増えたのだから、人気が出ないわけがない。
維持費の安さも見逃せないポイントだ。250ccクラスは車検がなく、重量税は届け時にのみ発生するのに対し、上位クラスには2年に1回車検があり、重量税は毎年掛かる(納税は車検時)。さらに軽自動車税も250ccは3600円なのに対し、上位クラスは6000円。個体差があるとはいえ、一般的には燃費だって良い。新車価格については……あらためて言うまでもないだろう。
車検を自分で行うのか、ショップに頼むか。また、年間何km走るかによってランニングコストは大きく変わる。そのため、一概に「1年にいくら掛かる」とは言えないのだが、維持費のなかでも主だったものを上にあげてみたのだが、その差は歴然。ほかにオイルやタイヤといった消耗品も当然、排気量が小さい方が安く済む。
そして、なによりも注目したいのは、その扱いやすさである。はっきり言って、いまのビッグバイクのエンジンパワーは公道ではとてもじゃないが扱いきれない。ビッグバイクのように「乗せられている」感ではなく、「操っている」と思わせるのは小排気量モデルならでは。そういう意味ではグロムやZ125PROのような125cc・ミッションモデルも楽しいのだが、いかんせん高速道路に乗れない……。長距離ツーリングを視野に入れると、やはり高速道路も走れる250ccクラスがちょうど良いのだ。