及川「たぶん、『優秀な自分』というセルフイメージだと思います。だって、隣の部署の鈴木先輩と心の中で比べたら『仕事のできない自分』というイメージになっちゃいますから」
みつさん「そう、それが結論だ。君は、『優秀な自分』というセルフイメージを創りたいと日頃から考えている。すると無意識に『優秀な自分』になるためのあらゆる出来事を引き受けようとする。
上司が君に多めに仕事を与えるのは、実は君が心の奥でそれを望んでいるからなんだよ」
及川「僕が望んでいる? いや、僕は不公平は嫌いです! どうして同じ給料で、僕だけ仕事を多めにこなさないといけないんですか」
みつさん「自分自身に聞いてごらんよ。『優秀な人』の定義を。優秀な人ってのは、仕事を多めにこなしている人のことだ。君が、そうなりたがっているだけじゃないか」
及川「で、でも、不公平です!!」
みつさん「じゃあ、公平になればいいじゃないか。
公平とは、何だろうか? 優秀も、落ちこぼれもない世界のことだろ? みーんな、横一直線。そんな『公平』の世界を目指したいなら、君が『優秀』になろうとするのをやめればいいじゃん。『優秀』になろうとしなければ、『落ちこぼれ』も発生しない」
及川「仕事の手を抜けってことですか?」
みつさん「違う違う。比べるのをやめればいいだけさ。心の中で勝手に隣の席の先輩と比べるから『優秀』に見えるだけであって、比べることを今すぐやめたら、その瞬間に君は『優秀』でも『落ちこぼれ』でもなくなるよ」
及川「でも、現実問題として僕だけ多くの仕事を与えられています!」
みつさん「だから、比べるから『多い』と思うだけでしょ?
隣の部署の先輩と比べると、仕事量は『少ない』じゃないか。ボルトと比べると足の速さは『遅い』じゃないか。どうして、ボルトや隣の部署の先輩とは比べないのに、隣の席の人とばかり比べたがる? やはりそこには、自分が好きなようにセルフイメージを構築したいという意識があるじゃないか。
比べちゃダメだ。比べるとセルフイメージがガチガチに固まってしまう。そのセルフイメージのせいで、自分自身が一番苦しんでしまう。誰とも比べなくなれば、そこには『多い』仕事もないし、『少ない』仕事もない。ただ、仕事があるだけだ。
勝手に隣の席の人をピックアップして、不公平を創り上げているのは、君の意識じゃないか」
【今週のみつさんの智慧】
誰かと比べない限り「セルフイメージ」は構築できない。そして、「誰と」比べるかは常に自分が心の中で勝手に選んでいる。ということは、「こうなりたい」という理想像が先にある。その理想像のせいで自分が一番苦しむことになるので、誰かと比べることを今すぐやめて理想を手放そう。
さとうみつろう●大学卒業後、エネルギー系の企業に入社。2011年、ブログ『笑えるスピリチュアル』を開始。様々なブログランキングで1位に。14年に会社を辞め、全国各地でトークショー&ピアノライブを開催。現在は那覇市在住。http://ameblo.jp/mitsulow/
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※記事内のデータ等については取材時のものです。