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飼い主が泣いている時、なぜ犬はそっと近くに寄り添ってくるのか?

2017.08.25

■連載/ペットゥモロー通信

犬は「泣・悲・寂・不安」といったネガティブな感情に、より反応する

かつてデカルトは動物機械論を唱えた。そして、動物に感情はないと言った人もいた。愛犬家は、それを否定するだろう。

犬を見ていると、実に感情豊かであり、「いったいこのコは何を考え、どう感じているのだろう?」と考えたくもなれば、「喜」「楽」「寂」「悲」…といった感情を共有できる(できていそうな気がする)ことに種を超えた特別なつながりを感じるのではないだろうか。それこそが、犬と人との絆をつくり上げる上で、根幹にあるものなのかもしれない。

動物が他の個体の感情に共感するかどうかについては、これまで霊長類から鳥類、げっ歯類に至るまで研究されてきているが、犬は他の種(人)に対しても感情に共感することが示されている。犬と暮らしている人からすると、「そんなこと当たり前でしょ?」という感じだとは思うが。

また、犬は人の顔の表情を区別できることも示されており(*1)、繊細な感覚をもっている動物であることは確かだ。ちなみに、馬も同じように人の表情を区別するという(*2)。

最近の研究では、相手が同類の犬であっても、人であっても、犬はよりネガティブな感情に共感するという結果が導き出されている(*3)。

ウィーン(獣医)大学/オーストリアのクレバー・ドッグ・ラボでは、53組の飼い主&犬(ミックス犬を含む様々な犬種、メス犬33頭、オス犬20頭)の協力を得て、感情的な音源と非感情的な音源を犬に聞かせ、それらに対して犬がどう反応し、行動するかを観察した。

感情的な音源には、人の笑い声(=ポジティブ感情)や泣き声(=ネガティブ感情)、犬が遊んでいる時の吠え声(=ポジティブ感情)、不安や孤独でクンクン鳴く声(=ネガティブ感情)などが含まれ、非感情的な音源には雨や風の音、女性の感情に左右されない一般的な話し声、鳥の鳴き声、クリケットの音などが含まれる。

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