■意欲を感じさせるエクステリア
エクステリアは従来車と同様、ステンレス車体に京王レッド、京王ブルーのカラーリングを用いている。特にステンレス車体は、総合車両製作所のブランド「sustina」(ステンレス鋼の略号「SUS」と、「Sustainable」を組み合わせた造語)を採用。魅惑的な車両デザイン、環境親和性の高い車両、信頼性確保と車両ライフサイクルコスト低減の両立などが特長だ。
このほか、先頭車の長さを約500ミリ延ばすことで前面デザインを“プチ流線形”とし、フロントガラスの周囲をブラックにして、“スマートな列車”を表現した。
先頭車のLED灯具は、前照灯、尾灯、急行灯のほか、鉄道車両では珍しい装飾灯が採用され、“プチ流線形”の前面デザインを引き立てている。
UVカットガラスも相まって、弱冷房車と女性専用車のステッカーに気づかない人が多いかもしれない。
各車両の車体側面をくまなく眺めていると、弱冷房車(3号車)と女性専用車(10号車。平日朝ラッシュ時と夕方以降、一部の列車で実施)のステッカーは、従来車に比べ控えめ。特に弱冷房車のステッカーは、従来車の乗降用ドア上から、側面の固定窓に移されている。京王によると、クロスシートにした際、乗客の視界の邪魔にならないよう考慮したという。
5号車の床下に車上蓄電池が搭載されており、3つの役割がある。
1.ブレーキ時に発生する回生電力を吸収し、走行時に使用することで、消費電力の低減を図る。
2.ほかの車両の回生電力を吸収し、蓄電することで路線全体の回生ブレーキ率を向上させる。
3.架線停電時には、勾配や蓄電量といった条件つきながら、バッテリーの電力のみで低速の自力走行ができる(自力走行できる距離は短い)。